レンタルCDショップ

 レンタルCDショップでいくつか音楽を聴く。人が歌うのもいいけど、音や楽器が流れているだけのものもいい。借りるヤツをチョイスしようとしたら、メイスも横で音楽を聴いていた。いったい、なにを聴いているのか。気になって積み上がるCDを覗き込んだら、パンク系やロックン系のが多かった。それと絶叫の凄いデスメタル系とかも。
(意外とハードなのを聞くんだなぁ)
 と思いながら私も自分の聴いてる分に集中する。うん、これとこれを借りようかな。聴いたCDの山から二枚をチョイスする。戻そうとしたら、メイスもヘッドフォンを外した。一人で頷いて、聴いたCDを見ている。なにか思い入れでもあるんだろうか。
「全部戻すの?」
「あ? 必要ない。ここにコーナーがあるだろ」
 メイスの指した方を見る。一応、カゴがあることは見えるけど。
「ここに入れておけば、店員が戻す」
「いいのかなぁ」
「いいんだよ。素人が下手に触って場所がわからなくよりはマシだ」
 そもそも、素人に戻されるのも嫌がる店もある。そういって、メイスは私が戻そうとした分もカゴに入れる。
「元々、レコード店のようにジャケットのみで判断したんだ。視聴できるようになっただけ、まだ有難い」
「そうなの?」
「そうなんだ」
 力強い口調でメイスはいう。そうならそうなのか。一つだけ納得しながら、帰還予定のカゴを見た。私たちの視聴したCDの積み重ねで、山になっている。
「これ、大丈夫なの? ちゃんと崩れない?」
「向こうも仕事だ。気にするな」
 そういって私の手にあったCDも持って、スタスタとレジに行ってしまった。


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