両肩重し

「肩より膝の方が柔らかいと思うぞ」
 と後ろから肩に寄りかかるゲーラがいった。
「俺もそう思う」
 と同じように肩に寄りかかるメイスが続けていう。
「ところで。二人から寄りかかるせいで満足に手を動かせないんだけど」
「我慢しろ」
「別に不便じゃねーだろ」
「不便」
 ゲーラの言葉に食いつくと、パタンと本が閉じた。
「んだよ。そこまで邪険に扱うこたぁねぇだろ!」
「本を読むのに邪魔」
「そうだな」
「メイスもだけど」
「俺はちゃんと配慮してるぞ」
 そういいつつ、こちらに預ける力を緩めない。ゲーラも同様だ。私に一通りいいおえると、また肩に頭を預け始めた。
「集中できない」
「できんだろ」
「できない」
「お前はやればできる子だぞ」
「そんなこといわれても」
 ゲーラ、メイスの両者からいわれると困ってしまう。しかも両腕も封じられている。人が読むスピード落ちているのに、二人はマイペースに本を読み漁っている。ゲーラに関しては漫画だけど。
「それ、面白いの?」
「おもしれぇ」
「なんの漫画?」
「ドラゴンボール」
「有名な漫画だ。しかも読み終わるまで時間がかかる」
「そうなんだ」
 極東の島国の文化、世界進出。そう思いながらも英字の小説と日本語の小説を同時に読みふけった。


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