ゲーラは煙草を吸わないのか

「ゲーラって、煙草吸うの?」
 そう尋ねたら「はぁ?」という顔をされた。
「や、だってメイスが吸うものだから」
「それがなんだっていうんだ」
「ゲーラも吸うかなぁ、って思って」
 チラリと横顔を盗み見れば、不機嫌そうな顔をしていた。
「あの苦いヤツ、吸う?」
「吸ったのかよ」
「まぁ。絶対吸うもんかって思ったけど」
 舌はピリピリするし滅茶苦茶苦い。一度吸ったら、誰がもう一度吸うと思うだろうか。そういと、ゲーラは視線だけをこっちへ向けてきた。
 不機嫌そうな、顔はしていない。当然といわんばかりの顔だ。
「なに?」
「だろうと思ったぜ」
 そういって胸元を探った。もしや、いった傍から煙草だろうか? メイスはポケットに仕舞っていたような気がするし、ゲーラは胸ポケットの内側かどこかに入れているというヤツだろうか? そんな違いを考えていたら、違うものがでてくる。
 なにかの棒きれだ。
「なにそれ」
「知らん。ガキたちの遊び道具には充分だろ」
「そうだけど。でも、これってどこから」
「拾った」
 またしても「拾った」の一言である。一体、彼らの拾い癖はどこからきたものだろうか。私も、人のことはいえないけれども。
 ポケットから紙切れを出し、広げる。
「なんだそりゃぁ」
「なにかのチラシ」
 そう返して、書かれた英字を眺めた。


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