ぼやき

「病床で告白とは、卑怯じゃないか?」「うるせぇ」そんな会話が聞こえてからの「どうせ、本気と受け取ってないだろ」ときて「あぁ!?」とゲーラが怒った。なんか、会話が途切れ途切れだから、なにをいっているのかわからない。
 ゆっくりと瞼を開ける。周りを見渡すと、メイスしかいなかった。
「あれ」
「おっ。起きたか」
「ゲーラは?」
「呼ばれて出て行った。代わりに俺がいるという寸法だ」
 ふぅん。そんなに過保護にならなくていいのに。そう思いながら、ボーッと扉の方を眺める。動く気配はない。
「なにか食うか? というより、食べれるか?」
 今はいらない。寧ろ食欲がない。そんなことを思いながら、目を閉じる。どうも、頭が痛いし重たい。スッと、顔になにかが擽ったような気がした。額をなにかが覆う。
「病状が悪化したか? 今は休んでおけ。寝れば直に良くなる」
「うぅ。ゲーラは? 帰ってくる?」
「あぁ、帰ってくる。どうせ、用事を終わらせたらすぐに飛んでくるだろうさ」
「ん」
 ふぅん、と頷くつもりが、声に出てなかった。メイスの手が離れて、布団を掛け直してくる。布団の中の温度が、少し良くなった。寝心地を直して、瞼を閉じる。
「まぁ、今度は意識がハッキリしたときに聞くといいかもな。なにせ、風邪だと判断が鈍る」
 まぁ、そこに付け込むような真似を、アイツはしちまったがな、とメイスが零した。いったい、なにを? 目を開ける。すると、もうメイスはいなかった。
 とりあえず寝る。しばらく体を休めることに集中すると、ガタッと動く音が聞こえた。それに目を開ける。顔を動かすと、ゲーラが座っていた。
「その、悪かったな。さっきは、その。変なこといっちまってよ」
「うん」
 その『変なこと』とはわからないが、とりあえず頷いておくことにした。それにしても、頭が痛い。そんなことを思いながら、もう一度目を閉じた。


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