こばなし

思いつき小話をだらだら。えろぐろが飛び出すかもしれないし飛び出さないかもしれない。文章を読み直さない一発書きとか没話とかばっかりです。更新履歴にはのりません。



>>2010/09/20-14:10

(♀青青と帝人)









「青葉君が二人いる」

目をこすっても頬をつねってもそこにはやはり同じ顔をした二人の後輩。いや、顔は同じだけれど片方は可愛らしいワンピースを着ている。

「…女の子?」
「俺の姉さんですよ、先輩」
「初めまして帝人先輩、兄さんからいつもお話聞いてるから初めてって感じがしないんですけど」

あれ、どっちが姉でどっちが兄なんだろう。まあこの際それはどうでもいい。そうか、青葉君は双子だったのか。

「こんにちは、ええと…」
「青葉です、黒沼青葉」
「それは青葉君の名前じゃないの?」
「私の名前でもあります」
「…そうなんだ」

変わってるなあ、同じ名前つけるなんて。最近は変わった名前つける人多いけど双子で同じ名前ってどうなんだろう。名前に関して僕がどうこう言える立場ではないけど。

「帝人先輩素敵だね、兄さん」
「そうでしょ、姉さん」
「私、帝人先輩の子供を産むことにする」
「え」
「それはいいね、姉さん。名前を考えないと」
「ちょ」
「私と兄さんと先輩と子供の四人で暮らしましょうね」
「待っ」
「そうだ、名前は、」






がばり、と布団から飛び起きた。混乱する頭を整理する。青葉君は青葉君しかいなくて彼は男で双子じゃなくて姉なんかいなくて、

「帝人先輩、おはようございます」
「あ……青葉、くん…おはよう、」
「どうしました?顔色悪いですよ?」
「大丈夫…変な夢見ただけだから、あ、顔洗ってくるね」

ほら、やっぱり青葉君は一人だけだ。ああよかった、あんな厄介なのが性別は違えど二人もいたら大変だ。本当におかしな夢だった、青葉君が双子だなんて。

「タオルどうぞ、先輩」
「あ、ありがとう…」
「朝ごはんできてますよ、姉さんが早起きして頑張ったみたいです」
「へえ、それは楽しみ…」




姉さん?







.

なんぞ(笑)
兄さんと姉さんって言わせたかっただけです。兄様姉様だと元ネタそのまますぎるので。


>>2010/09/10-10:23

(八房と青葉)









四角い窓で切り取られた風景は子供の頃から飽きる程眺めていて退屈でしかないのに俺はやはり今日もベッドの上で変わらない景色を見ている。

「八房、帝人先輩はすごいよ!俺が探してたのはあの人だったんだ、あの人なら…」

珍しく興奮した様子の黒沼は嬉しそうに『帝人先輩』の話をする。俺はたぶん黒沼のことが好きだけれど、不思議と『帝人先輩』に対して嫉妬だとかは感じなかった。
俺と黒沼はよく似ているから、まだ会ったことはないが、俺もきっと『帝人先輩』を気に入るのだろう。実際、黒沼から彼の話を聞くのは楽しかった。

『ブルースクウェア』と彼らに名前をつけたのは俺だった。四角く切り取られた狭い海の中で泳ぎ回る鮫たち。当時はまだ泉井だった黒沼はこれをひどく気に入っていた。他の奴らは「お前らのセンスはついていけない」と言っていたけど。
『帝人先輩』は狭い四角の中でぐるぐる泳ぎ回っている鮫たちを深海へと連れていくのだろう。できるなら俺も一緒に海の底に引きずりこんで、退屈なこの四角い景色を忘れさせてほしいと願った。







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>>2010/09/01-10:04

(帝臨)








「よく考えたら、君のことあんまり好きじゃなかった」

恋人同士の別れの時みたいな言葉を吐いてみた。
馬鹿みたいに心臓がうるさくてこのまま死ぬんじゃないの俺、なんて思うぐらいに。けれど俺がそんな状態にまでなって口にした一大決心に対して彼は無感情な視線を向けただけだった。
ああ、そうなんですかとでもいいそうな目。
怖くなった。今なら間に合うだろうか、「なんてね、嘘だよ」と言えばまた笑ってくれるだろうか。

「飽きちゃったし、まあちょうどいいよね」

なのに臆病な俺は思ってもいないことをべらべらと喋ってしまう。

嫌われたくない、嫌われたくない、嫌われたくない、嫌われたくない、嫌われたくない、

君に嫌われるくらいならもういっその事、



「さよなら、帝人君」
「さようなら、臆病な臨也さん」



(全てわかっているのなら別れの言葉なんか言わないで馬鹿な俺を引き留めてよ)






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>>2010/08/22-14:17

(帝←臨)







「君を殺してやりたい」

彼は今にも泣きそうな顔でそう言う。だったら早くそうすればいい。貴方が手に持つそのナイフでずたずたに切り裂けばいい、あるいはその二本の腕で首を締めてしまえばいい、あるいは、あるいは、

「…君を許せないのに、殺せないよ」

僕よりも背の高い彼はまるで子供が親に縋るかのように僕にしがみつく。

「ねえ、俺は君を殺せないから、君が自分で死んでくれないかな」
「お断りします」
「むう、太郎さんのいじわる!」

僕に表情を見せないまま、チャットでのキャラ口調でむくれてみせたかと思うと次の瞬間に彼は、とん、と僕の身体を突き放し、




ビルの下の闇へと飲み込まれてしまった。




「臨也さん、」

闇の中に向かって彼の名前を呼んだ僕は、泣いていたかもしれない。







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>>2010/08/12-06:49

(電葉/帝←青)









あなたが望むなら、この心臓を一突きして抉り出し差し出しましょう。俺の命を握っていて、飽きたら地面に叩きつけて踏み潰してくださいな。そうしたら綺麗に地面を洗い流して靴は捨ててしまって、俺の命の痕跡など消してしまってください。ただそれを踏み潰した感触だけ、あなたに残っていればいい。俺を踏み潰してぐちゃぐちゃにして殺してしまった罪悪感があなたを蝕んで壊してしまったらいい。


その時になって初めてあなたは俺を失ったことを嘆き、俺の深い愛を知り、あなたも俺を愛していたことに気付くのでしょう。大丈夫、嘆かないで。あなたがそれに気付いてさえくれれば、地面に僅かに残った血の染みである俺は幸せなのですから。







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電波すぎる


 



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