(S3とS4の間くらいのイメージです)
「もう!ダリルのばか!いつまで子供扱いすんのよ!」 「あのなぁ…いつ俺がお前を子供扱いしたってんだよ」 「さっき!あんなのダリルに助けてもらわなくたって大丈夫だったし!」 「べつに子供扱いしてるわけじゃねぇって」 「うそ!してる絶対してる!」
調達から戻るや否や、車を降りながら大声で喧嘩するナマエとダリルに、周囲にいた仲間は何事かと一斉に視線をやった。もっとも、大声を出していたのはナマエだけだったが。 どうやら途中でウォーカーに出くわし、ダリルに助けられたことがナマエには気に食わなかったらしい。一人でウォーカーも倒せないとダリルに思われているようで、腹が立ったのだろう。
童顔で背も低いナマエは、とっくに成人しているにも関わらず何かと子供扱いされがちだ。本人もそれをかなり気にしている。 ただ、ダリルもべつにナマエを子供扱いしているつもりはないのだろう。しかし、言葉少ない彼の真意は人に伝わりづらい。
「なあ、機嫌直せよ」 「………」
頬を膨らませてそっぽを向き、だんまりを決め込んだナマエ。そんな彼女の様子に、ダリルはハァ、とため息をつく。そして、早足でその場を去ろうとした彼女の腕をぐいっと掴んだ。
「あのな、」
強引にナマエを自分の方へ向かせ、しかしそっと、右手を彼女の頬に添える。ダリルは真剣な表情で続けた。
「俺はナマエのことが大切だから、心配なんだよ」
ほとんど愛の告白のようなことをさり気なく言ってのけるダリル。突然の展開に周囲の仲間は呆気にとられたりニヤニヤしたりと、リアクションは様々だ。 ナマエはナマエでダリルしか目に入っていないようで、周囲の反応にも気づく様子がない。頬を赤く染めて、じっとダリルを見つめていた。
相変わらずクールなダリルは、それに、と続けた。
「子供扱いしてんなら、昨日の夜みたいな事するわけないだろ…?」
少しニヤリとしながらサラッと爆弾発言をするダリルに、さすがの仲間たちもザワついた。以前から明らかに思い合っているにも関わらずなかなかくっつかないと思われていた二人だったが、どうやらいつの間にか”それなりの仲”になっていたらしい。
仲間たちのざわつく声が耳に入ったのか、さすがのナマエもハッとして周囲に目をやった。 顔を赤くして呆然とするグレンや、キャーと色めき立ったベス、呆れ顔のマギーらがようやく視界に入り、ナマエは羞恥のあまり俯いてわなわなと肩を震わせた。
「ナマエ?」
そんな彼女の様子を、首を傾げて見つめるダリル。顔を上げさせようとナマエの顎に手をやろうとした瞬間、彼女の右腕がバッと振り上げられ、そのまま勢いよくダリルの左頬を直撃した。
「〜〜〜〜っ!!ダリルのばかぁ!!!!!」
真っ赤な顔で少し目に涙を浮かべながら、ナマエは大声で叫ぶと全速力で走り去っていった。 その後ろ姿を呆然と眺めるダリルの頬には見事な手形がついており、一部始終を目撃した仲間たちはただ同情の眼差しを彼に向けたのだった。
なんだかんだでお似合いカップル
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芙蓉様、リクエストありがとうございました!そして、とてもとても遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした…!! ツンデレ夢主とクーデレダリルのお話とのことでしたが、いかがでしたでしょうか?ダリルがクーデレというより天然という感じになってしまった感もありますが、少しでもご希望に沿えていましたら幸いです…! リクエストからとても時間が経ってしまいましたので、もうお越し頂いていない可能性が高いかと思いますが…もしまだ見ていただけているようでしたら、楽しんでいただければと思います! 改めまして、リクエストありがとうございました!!
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