「最近、ナマエと知念っていい感じやさぁー」

体育の授業後の女子更衣室。
狭い中で場所を譲り合いながら着替えていると、クラスの子が突然そんなことを言い出した。

「そうそう、この前クッキーあげとったしー!やっぱできてるんとあらんー?」
「じゅんに?!え、ちょ、詳細詳細!!」
「知念って見た目怖いけど実はいいヤツやっし、ナマエちゃんと結構お似合いやあらん?」
「言われてみればそうさぁー。ナマエちゃん結構背ー高いから、長身カップルって感じやっし!」
「……で、実際のところは?」

みんなの視線が一斉に私に集まった。
ちなみに私は、上はYシャツ下はジャージという、なんとも中途半端な格好。

「そっ、そんなんじゃないよ!!クッキーはあの、迷惑かけちゃったときのお礼だし…」
「そういえば、あん時の知念珍しく焦ってたさぁー」
「そんなにナマエが心配だったんねぇー?」
「だ、だから違うってば!」

またしても浮上したあらぬ疑惑を必死に否定しようとしたが、逆に怪しまれてしまったようだ。
いくら反論してもみんなは笑うばかりで、信じてもらえる様子はない。

「そんなちらで言われても、説得力ないさぁー」
「!!!」

そんなちらって……どんなちらよ?!!


***

「そういや最近、知念とミョウジさんでーじ仲良いさぁー」
「やんせぇ!やったーデキてるんとあらん?」
「じゅんに?!わんミョウジさんちょっと良いなーとか思ってたのにやぁ…」
「やーじゃミョウジさんと釣り合わないさぁー!」
「……で、実際のところは?」
「あ、あああああ、あらん!!!!」
「知念、ドモりすぎやっしー…」


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