お花畑

もうとっくに、さみしさに取り憑かれていた。
頭が痛いまま飲むお酒や薬は心地が良かった。わたしを案じてくれる声が、文字が優しくて堪らなかった。
痛みとひきかえに優しさを受け取れるなら、安いものだよ。この世界は人でなしに暖かい。
優しくない人間は死んでしまえ。さみしさを埋めるためにだれかの優しさを利用した、わたしなど死んでしまえ。
人の優しさを食べて生きる人でなしなんて絶滅してしまえばいい。その死体が転がった地面にはきっと、いつしかきれいな花が咲くよ。
食い荒らした優しさが春には芽吹いて、世界を彩る花になるんだ。世界人口の7割が死に絶えて、残された場所には色とりどりのお花畑が出来る。そうなってしか、わたしたちが生きたことに価値などないよ。
優しくない人間は死んでしまえ。

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