微熱

魂の重さは21gだと知って、だったら死ねば21gのダイエットに成功するのだと軽い気持ちで思う。
重く重く澱んだ頭で思う。
きみとぼくのこと、もっと軽い気持ちで一歩を踏めばいいよ。もっと軽い気持ちで「やあ」って言ってみればいい。そうしたらきっと、案外簡単に応えてくれる。
「誰でもいいような世界に出るのだから、誰でもいいような気持ちで愛を語ってごらん」って、誰かが言ったらしい。名言だ。さすがにそこまでのことは出来ないけれど。
誰でもいいんだ。僕にとっては“君”以外みんなみんな誰でもいい。君が居るから僕がいて、それ以外のぼくはぼくであってぼくじゃない。
きみもぼくも、代わりなんて幾らでもいる。だってそうでしょう?
明日ぼくがここにいなくても大丈夫なように、きみが明日いなくてもぼくは全然平気。かなしくなんかない。かなしむ必要なんかない。
いなくちゃ駄目みたいな特別な価値はきみにもぼくにもない。きみが明日ぼくを嫌いになっても、明日きみがぼくを切り捨てて何処かへ行っしまっても、さみしくなんかない。
だから、複雑怪奇な壁も自己防衛もいらないって思った。
ぼくはべつにきみじゃなくてもいいけれど、きみだとしても別に構わないんだ。だから、もっともっと軽い気持ちで「やあ」って言ってあげる。
馴れ合いは最高だ。存分に馴れ合おう。

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