あなた

あなたへの想いを恋と呼ばない。
こいびと。なんて呼称にちっとも意味なんか無くて、それは物わかりの悪いかわいそうなひとたちに解り易く示してあげるだけに存在するただの親切な言葉に過ぎないと、私もあなたももう、ずうっと昔から解っていた。
「好きだよ」って、「愛してる」って、私はあなたに言う。けれどそれを他の家族や友達にも笑って言える私だとあなたが誰よりも知っているね。それをいやがらないあなただからすきだよ、一緒に居る。
「愛してる」なんて言葉を恋に限定して使うなんて、私はまっぴらだ。家族も友達も私は愛している。そう言えるほどに強く強く想っている。
中でもあなただけは違うんだと、他の誰とも違う甘く暖かい想いを秘めているんだと、巧く言えない。
それを伝える言葉をいつだって、私は探している。いつまでだって探している。
いつの日かあなたに伝えるんだ。って、そんな想いで、ずっとずっと、探している。

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