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A「時にBくん、一つ質問というか相談というか、とにかく聞きたいことがあるんだが」
B「何だよAくん、急にマジメな顔して。ちょっとは落ち着いたか?」
A「うん、すまない取り乱して。まさかBくんも僕のことを好きでいてくれるとは思ってもみなかったから」
B「あー……うん、で聞きたいことって何だよ」
A「ええと、その、つまり」
B「ん?」
A「キスしてもいいかな」
B「ん、……ん? えっ、き、キス?」
A「うん、だめかな」
B「だっ、ダメダメ! ダメに決まってんだろ!」
A「えっ? なぜ?」
B「だってそんな、今付き合いだしたばっかりじゃねーか」
A「うん……、ん? 僕とBくんは恋人になったわけだから何も問題はないのでは」
B「いや展開が早すぎんだろ! そういうことはほら、あれだろ、それより先に色々することあるだろ」
A「ということはあれかい、Bくんはキスより先にセックスがしたいという……」
B「ちっげーよ急に話飛びすぎだろ! そうじゃなくて付き合ったらまず一緒に登下校とか」
A「ああ、そういうことか。でも僕達今でも一緒に登下校してるじゃないか」
B「あ、そっか。じゃ、じゃああれだよ、デートとか」
A「デートか、そうだな。じゃあデートしよう、Bくん」
B「う、うん」
A「でも困ったな。夏休みまで学園から外には出られないわけで、ということは校内か部屋でということになるがそれだと今までと何も変わらないよな」
B「まあ、言われてみればそうだな」
A「じゃあ本格的なデートは夏休みにでも改めてすることにして、とりあえず暫定的にデートもクリアしていることにしよう」
B「は?」
A「だからキスしてもいいかな」
B「えっ? いや何言ってんのか分かんねーんだけど。クリアしてることにするって何だよ」
A「いやもう、ごめん、展開が早いと言われようがとにかく今すぐBくんにキスしたいんだ」
B「なっ、何言って」
A「……だめ?」
B「な……」
A「Bくん、頼むよ。ちょっとだけでもいいから」
B「う……」
A「Bくん……」
B「……本当にちょっとだけだからな」
A「Bくん……!」
B「……いや待て、ちょっと待ってやっぱ恥ずかしいから」
A「恥ずかしくないよ。大丈夫だから目瞑って」
B「……っ」
A「あー……可愛いBくん……」
B「可愛くな、……っ、待て、もう終わ」
A「ごめん、もう1回……」
B「ん、……ぅ、は、っ、おい、しつけーって。もう1回って言いながら何回すんだよ」
A「そんな。まだ舌も入れてないよ」
B「しっ……! まっ、待て待てマジで、Aくん手早すぎだろ!」
A「だめ?」
B「ダメだってば! そんな顔したってもう騙されねーからな!」
A「別に騙したつもりはないんだが……」
B「とっ、とにかくそういうキスは付き合って3ヶ月以降だから!」
A「な……? 3ヶ月……!?」
B「何だよ、なんか文句あんのかよ」
A「当然だろう! 正気かBくん!」
B「そっ、そんな驚くことかよ。正気に決まってんだろ」
A「そんな……そんなまさか……お預けがすぎるぞBくん……」
B「いやそこまでしょんぼりせんでも」
A「だって……いや貞操観念の高い真面目なBくんもそれはそれで可愛いんだが」
B「可愛くはないけど、じゃあ何も問題はねーな」
A「問題は大有りだが……ちなみにBくん、Bくん的にはセックスはいつまで待てばいいんだ?」
B「いつって」
A「3ヶ月経ったら最後まで進んでもいいのか? それとも半年? 1年?」
B「おい、詰め寄ってくんな。こえーよAくん」
A「まさか一生しないとは言わないよな?」
B「わ、分かった分かった、半年! 半年経ってから!」
A「長いな……」
B「だからそんなしょんぼりすんなってば。大体さっきAくんも言ってたろ。別にキスとかそういうことができなくてもいいって」
A「いや違う。もし何もできなくても幸せだけどやっぱり好きだからそういうこともしたいって言ったんだ」
B「え、あーそうだっけ……」
A「もしかしてちゃんと伝わってなかったのかな。もう一回告白からやり直そうか?」
B「いや、いらないいらない。これ以上は心臓持たねーよ」
A「え?」
B「え、……あ、あー……いや何でもない」
A「もしかしてBくん……」
B「な、何だよ」
A「いや、……」
B「おい、何笑ってんだよ」
A「ふふ、ごめん嬉しくて。僕の告白でドキドキしてくれたってことだよね」
B「……しょうがねーだろ。Aくん色々正直に言いすぎなんだよ」
A「そうだったかな。僕もBくんに振られないか不安だったし必死だったから」
B「あー……」
A「どうしたんだいBくん」
B「いやなんか……何だろ、こういうの慣れないっていうか、Aくんと付き合ってんだなと思ったらこっ恥ずかしいというか、なんかもうどうしたらいいか分かんねーわ……」
A「Bくん……」
B「……だからニヤニヤすんなってば」
A「いやもう照れるBくんが可愛すぎて喜びを抑えきれない。やっぱり3ヶ月も我慢できないからちょっと早いがもういっそ全部解禁にしてもらえないかな」
B「ちょっとじゃねーよ。Aくん我慢の限界が早すぎんだよ」
A「あーキスしたいよー。あ、もしかしてアナルなら舐めてもいいのかな」
B「いいわけねーだろ、そっちは一生ダメだっつの」
A「……え?」
B「何だよ」
A「え、いや今何か変な言葉が……幻聴かな?」
B「幻聴じゃねーよ。つうかAくん、いい機会だから言っとくけど」
A「え? な、何だいBくん改まって」
B「俺は確かにAくんのことが、あー……好き、なんだけど」
A「う、うん」
B「でもさすがにケツは舐められたくない」
A「えっ……」
B「というかそこは舐めるところじゃない」
A「いや舐めるところだよ」
B「真顔で言い切んなよ。とにかく俺は舐めさせる気はねーからな」
A「……」
B「なんか言えよ。真顔で黙られるとこわいんだけど」
A「……いや、落ち着け僕。Bくんは何だかんだ言って優しいしそれに案外流されやすいから今はこんなことを言っていてもうまく丸めこめばそのうちいつかアナルを舐めさせてくれるばかりかきっと自らおねだりまでしてくれるようになるはずで……」
B「おい! しょげてんのかと思えば何とんでもねーことぶつぶつ呟いてんだよ!」


53
B「そういえばAくん」
A「なんだいBくん」
B「あれ見せろよ、さっきのスケッチブック」
A「あー……いやあれのことは忘れてくれ」
B「何でだよ、何か変なこと書いてあんの?」
A「いやそういうわけではないんだが。でもBくんに告白するという緊張で変な方向にテンションが振り切れていたわけだけど、冷静になった今思い返すとちょっと恥ずかしいというか」
B「変なこと書いてないならいいだろ。Aくんどこ投げたっけ、あ、あれか」
A「本当に見るのかい、Bくん。僕としてはできればそっとしておいてほしいんだが」
B「いいじゃん、見せてよ。ほら、一緒に見よ」
A「うーん、そんなに可愛く誘われたら断れないな」
B「可愛くねーよ。やっぱAくんの目おかしい」
A「おかしくはないけど、じゃあBくん、ここに座ってくれないかい」
B「え、……マジで?」
A「うん、Bくんを後ろから抱っこするの夢だったんだ」
B「抱っこって……」
A「嫌?」
B「嫌というわけではないけど……」
A「まあまあ、とりあえず1回座ってみてくれ」
B「っ、うわ、……あー……」
A「Bくんもしかして照れてる?」
B「照れてるっていうか……うわーもう……」
A「勃起した?」
B「しっ、しねーよアホか!」
A「ははは、冗談だよ。それよりBくん、前から思ってたけど細いよね」
B「あー、重くない?」
A「全然軽いよ。ちゃんと食べてる?」
B「食べてる食べてる、から、おい、ナチュラルに腹を撫でんな!」
A「お腹くらいいいじゃないか、アナルを撫でているわけじゃあるまいし」
B「……ああもう、力抜けるっつの。ケツネタの自重期間はもう終わったのかよ」
A「ああ、好きなだけ力を抜いて僕にもたれかかってくれ」
B「いやそういうことではなく」
A「ところでBくん、舌を入れなければキスはセーフなんだよね?」
B「いやセーフというわけでは……、……っ、おい、聞けよAくん」
A「Bくんの唇はなぜこんなに柔らかいんだろう。やっぱりアナルも柔らかいのかな」
B「……ん、何言ってんだよばか」
A「あーもう、本当に可愛いなBくん。僕は今宇宙一幸せかも」
B「っ、おい口舐めんなよ、も、……」
A「お願いだから舌も舐めさせてよBくん。アナルとまでは言わないから」
B「ダメだっつってんだろもう! 終わり! これ見るんだってば!」
A「やっぱり駄目か……仕方ないから明日再挑戦しよう」
B「明日もダメに決まってんだろ……つーかAくん、何この絵。犬、いや熊?」
A「どれどれ……いやこれはBくんだよ」
B「は? これ俺? Aくんにはこんな風に見えてんのかよ」
A「いや、この絵の千倍、いや一万倍は可愛く見えているんだが、いかんせん画力が追いつかなかったんだ」
B「画力以前の問題っつーか……Aくんって絵下手なんだな」
A「まあ確かに否定はできないな」
B「よくこれ見せて告ろうと思ったな。……おい待てAくん。何で2ページ目がでっかいアスタリスクのみなんだよ」
A「Bくんのアナルへの愛が溢れた結果だな。恥ずかしながら」
B「本当だよ。Aくんさっきこれ捨てて正解だったな」
A「だからそっとしておいてくれと言ったのに。でもまあいいんだ、結果オーライだから」
B「うーん、今後が不安になってきた」
A「心配しなくてもちゃんと幸せにするよ」
B「うーん……」
A「大丈夫、ちゃんと一生かけてBくんに尽くすし、Bくんが心からアナルを舐めて欲しがるようになるまで頑張るから」
B「そこは頑張んなくていいけど、本当にぶれねーな、Aくん」
A「ありがとう」
B「褒めてねーよ」
A「これからもぶれずにBくんとBくんのアナルに愛を注いでいくことを誓うよ」
B「ケツへの愛はいらないけどな」

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