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48
A「時にBくん」
B「な、何だよAくん」
A「プリントありがとう。おかげで助かったよ」
B「あ、ああ。うん……」
A「ん? どうしたんだいBくん」
B「いや、どうしたっていうか」
A「ああ、さっきの話かな。僕がBくんを好きだという」
B「そ、まあ、そう、そのことなんだけど」
A「うん、何かな」
B「Aくんさ……本当に俺のこと好きなの?」
A「ああ、うん。好きだよ」
B「……それはあれか、ケツの話じゃなくて?」
A「BくんとBくんのアナルは切っても切り離せない関係だと思うが、でもそうだよ。たとえBくんにアナルがなくても僕はBくんのことが好きだ」
B「……」
A「Bくん?」
B「あのさ、ちょいちょいケツネタぶっこまれるとどう受け取ればいいのか分かんねーんだけど」
A「先にアナルの話をしたのはBくんだと思うんだが、でもまあそうだな、Bくんが嫌だと言うならしばらくまたがんばって自重しようか」
B「ぜひそうしてくれ。つーかAくんさあ、俺のどこが好きなの? ケツ以外で」
A「いい質問だね。じゃあちょっとBくんとの出会いから語ってもいいかい」
B「え、そこまで遡んの?」
A「勿論だよ。そうあれは去年の4月。校庭の桜が満開の、よく晴れた日のことだった」
B「何でいきなり回想風なんだよ」
A「僕達が初めて言葉を交わした時のことを覚えてるかい。配布されたプリントを回すために僕が後ろの席のBくんを振り向いた時のことだ」
B「うーん、どうだったかな。何か喋ったような気はするけど」
A「あれは確か健康診断の日時が書かれたプリントだった」
B「よく覚えてんなそんなことまで」
A「僕は振り向き、そして驚いた。後ろの席に僕の好みどストライクの天使がいたからだ」
B「は?」
A「ん?」
B「え?」
A「どうしたんだい、そんな驚いた顔して」
B「えっ、Aくん俺みたいなのが好みなの?」
A「何か問題でもあるのかな」
B「いや……Aくん趣味悪いんだな……」
A「失礼な。僕の愛するBくんをディスるのはやめてもらいたい」
B「あ、ああ、うん……?」
A「話を続けようか。僕は驚き、そして見惚れた。Bくんの大きな目も長い睫毛も小さい顔も、それからふわふわした髪もふっくらした唇も、全て完璧だった。正直震えた」
B「え、待て待て、それ本当に俺の話?」
A「そうに決まってるじゃないか。Bくんは鏡を見たことがないのか」
B「いやあるけど……うーん……?」
A「僕が天使を見つけた感動に打ち震えていたら、Bくんは不思議そうに首を傾げた。可愛すぎてもしやこの天使は僕を萌え殺そうとでもしているのかと思った。パーカーの萌え袖のあざとさも相まって本当に昇天するかと思った」
B「萌え殺す気もねーしあざとくもねーよ。単に兄貴のお下がりだからでかいだけだよ」
A「えっ、それお兄さんのお下がりなのかい。というかBくんにはお兄さんがいたのか」
B「あー言ったことなかったっけ」
A「まさかまだ僕にもBくんについて知らないことがあったとは……衝撃の事実だな……」
B「そりゃ山ほどあるだろ。そんなしょんぼりせんでも」
A「そうか……とりあえずBくん、近々僕に代わりの服をプレゼントさせてもらえないだろうか。兄弟とは言え他の男からのプレゼントをBくんが身にまとっているのかと思うと僕は……僕は……!」
B「おい、こえーよAくん。分かったから落ち着け」
A「すまない、つい嫉妬で取り乱してしまった」
B「家族に嫉妬すんなよ。というか結局つまりAくんは俺の顔が好きってことなのか」
A「いや、もちろん顔も好きだけどそれだけじゃないよ。でもまだ出会い編だから」
B「出会い編って。何編まであるんだよ、それ」
A「Bくんの魅力についてだったら何時間でも語れる」
B「そんな長時間語れるほど別に魅力なんかねーだろ」
A「何を言ってるんだBくん! Bくんほど魅力に溢れた人なんか他にいないぞ!」
B「いやそんな、いっぱいるだろ」
A「よし分かったBくん。じゃあもうすぐ昼休みも終わるし、放課後にでもちょっと腰を据えて語らせてくれ。そうだ、たまには僕の部屋に来ないか?」
B「え、Aくんの部屋?」
A「うん、いつもBくんの部屋ばかりというのも悪いし」
B「いやそれは別にいいんだけど……」
A「おや、気が進まないかな」
B「そういうわけじゃねーけど、……あのさ、一応聞くけどAくん」
A「うん、なんだいBくん。何でも聞いてくれ」
B「Aくんの部屋ってまさか変なもんで溢れてたりしねーよな?」
A「変な物とは?」
B「変なもんは変なもんだよ。ほら、なんつーか……」
A「ああ、もしかして僕の秘蔵のアナルグッズ達のことかな?」
B「えっ、まさかマジであんの?」
A「いつかBくんが使わせてくれる日が来ることを夢見て買いためたあれこれのことなら勿論あるよ。でも大丈夫、ちゃんと人目に触れない所に隠してあるから」
B「全然大丈夫じゃねーよ! やっぱ俺行かねーからな」
A「はは、冗談だよBくん。何もないからおいで。Bくんとの出会いから今に至るまで僕が育んできた愛を伝えさせてくれ」
B「……急にこっぱずかしいこと言ってんじゃねーよ。本当に何もないんだな?」
A「ないない、大丈夫だよ」
B「ならいいけど……」


49
A「やあ、いらっしゃいBくん」
B「ん、お邪魔します」
A「コーヒーと紅茶と麦茶ならどれがいいかな。Bくんの好きなカフェオレもあるけど」
B「あーじゃあカフェオレで」
A「僕の部屋でストローをちゅーちゅーするBくんを見たいがために買っておいた甲斐があったよ。はい、どうぞ」
B「何言ってんだか。でもサンキュ」
A「お安い御用だBくん。こっちが僕の部屋だから、自分の部屋だと思って寛いでくれ」
B「……良かった。別に普通の部屋だな」
A「言ったじゃないか、ちゃんと見られたらいけないものは隠してあるって」
B「は?」
A「冗談だよ。それより本題に入ってもいいかな」
B「いいけど本当に冗談なんだろうな?」
A「……さてBくん、実はどうやったらBくんに僕の愛が伝わるだろうかと思ってこんなものを作ってみたんだが」
B「おい! 冗談って言えよ!」

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