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A「時にBくん」
B「何だよAくん」
A「さっき呼び出されてたみたいだけど何だったんだい」
B「ああ、いや、まあ別に」
A「あれ、いつになく歯切れが悪いね。まさか告白でもされたのかな」
B「ん、まあそういう感じ」
A「な……何だと? Bくんのアナルをぺろぺろする権利を狙っている不届き者は一体どこの誰だ!?」
B「落ち着け。そんな変態Aくんしかいねーよ」
A「いや僕はただBくんのアナルを舐めたいだけの一般人だが……」
B「つまり変態だろ」
A「いや今は僕が変態だろうが一般人だろうがそんなことはどうでもいい。大事なことはBくんの愛されアナルが他の男の物になってしまうのかどうかという点だ」
B「変な言い方すんな。普通のケツだってば」
A「いやBくんのアナルは……いやそれも今はいいんだ。どこの誰に告白されたんだ。そしてどうするんだ。付き合うのか? 断るのか? それとも付き合わずに身体だけの関係になるのか?」
B「なんねーし普通に断ったよ。知らない人だったし」
A「そ……そうか……」
B「何だよAくん。何でうなだれてんだよ」
A「違う、心からほっとしてるんだ。Bくんが他人のものにならなかったことに」
B「そうか。そりゃよかったな」
A「良かった……本当に良かった……」
B「大げさなやつだな」


45
E「あのさ、AくんとBくんだっけ? ちょっと聞いてもいいかな」
A「おや、Bくんの隣の席のEくんじゃないか。何が聞きたいのかな」
E「2人ってさ、どんな関係なの?」
B「どんなって?」
E「いや、何かよく際どい話してるからさあ。どうなのかなって」
A「うん、実にいい質問だね。何を隠そう僕は常々Bくんのア」
B「ただの友達だけど」
E「え、そうなの?」
A「つれないな、Bくんは。僕達の仲をただの友達の一言で片付けてしまうなんて」
B「いや事実だろ」
A「こんなに僕がBくんのアナルに日々恋い焦がれているというのにか?」
E「えっ」
B「ばっ、何いきなり変態発言してんだよばか!」
A「失礼な。僕はただBくんのアナルを舐めたいだけの一般人であって決して変態ではない」
E「えっ?」
B「だからそれを変態って言うんだよ!」
A「違う、僕は」
E「え、ええと、やっぱあれなの? 付き合ってんの?」
B「付き合ってねーよ!」
E「ご、ごめん」
B「あ、いや俺こそ……」
A「うん、まだ付き合ってはいないな。ゆくゆくはお嫁さんになってほしいと思ってはいるんだけど」
E「えっ!」
B「もー黙ってろよAくん。男は嫁にはなれねーってば」
E「あーえっと、つまりAくんの片想い? 的な?」
B「違うって。そういうんじゃなくて」
A「いや、違わないよ」
E「え」
B「……え?」
A「なぜそんな驚いた顔をするんだBくん。前から言ってるじゃないか、僕はBくんのアナルを愛してるって」
B「あー……はいはい、ケツの話な」
A「おや、どうしたBくん。拗ねちゃったのかな」
B「別に拗ねてねーよ」
E「要するにAくんは尻フェチってこと?」
A「いや、特にそういう趣味はないな。こんなにアナルを舐めさせてほしいと思うのはBくんだけだ」
B「そんな爽やかな顔で言うことじゃねーだろ、それ」
E「んー……正直よく分かんないんだけど、じゃあBくんはAくんのことどう思ってんの?」
B「どうって別に」
A「ああ、それはぜひ僕も聞きたいな。僕の可愛いBくんが僕のことをどう思っているのか」
B「頭おかしいなと思ってる」
E「あー……」
A「おかしくないよ。逆にBくんのアナルの素晴らしさに気づかないその他大勢の方がおかしいんだ」
B「頭おかしいな」
A「でも同時に、他の誰にもBくんのアナルの魅力に気づかれたくはない。この甘く切ない複雑な気持ちが分かるかい、Bくん」
B「分かんねーし分かりたくもねーよ」
E「てかBくんの尻ってそんなすげえの? 名器的な?」
B「んなわけないだろ。普通のケツだよ」
A「何を言うんだBくん。BくんのアナルはBくんについているというだけで既に価値を持っているじゃないか」
B「意味分かんねーよ」
E「うーん……複雑な関係なんだな……」
B「違う、本当にただの友達だから!」
E「うーん……」


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B「あのさあAくん」
A「なんだいBくん」
B「何でEくんにああいうこと言うんだよ。誤解されたらどうすんだ」
A「誤解って何をだい」
B「何って言うかさ、お嫁さんになってほしいとかさ……」
A「何か問題でもあったかな」
B「問題しかねーよ。この前も電話で俺を彼女にしたいとかいうし、そういう冗談はさあ……」
A「別に冗談じゃないけど」
B「意味分かんねーよ。なんなの、Aくんって俺と付き合いたいわけ?」
A「付き合いたいというか結婚したいな。法的にBくんのアナルを僕のものにしたい」
B「別に結婚したってケツの所有権は手に入んないって前も言ったろ」
A「言われてないよ」
B「あれ? ……あ、そうかあれ夢か」
A「え?」
B「あ、いやいや何でもない何でもない」
A「そうか、Bくんは僕にプロポーズされる夢を見るほど僕のことを考えてくれているんだな」
B「断じて違う! というかそもそも男同士は結婚できねーから」
A「そうだな。じゃあ将来は外国にでも行こうか」
B「やだよ。英語できないし」
A「2年の時のテストではいい成績をとっていたじゃないか」
B「だからって喋れるわけじゃないだろ。というかAくんは散々だったよな」
A「そうだな。だから英語の勉強をしないといけないと思って一つ文章を覚えたんだ。聞いてくれるかい」
B「へえ、すげーな。喋ってみろよ」
A「I would like to taste your anus!」
B「ドヤ顔で何を言うかと思えば……本当にぶれねーな、Aくん」
A「ありがとう」
B「褒めてねーよ」


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A「時にBくん」
B「何だよAくん」
A「僕は今大変なことに気づいたんだが」
B「大変なこと? 何だよ、宿題でも忘れてきたか」
A「そういうことではなくて、いや確かに宿題をするのもすっかり忘れていたんだが」
B「え、本当に大変じゃん。プリントは持ってきてんの?」
A「ああ、うん。存在自体を忘れていたから鞄に入れっぱなしだった」
B「そりゃ良かった。もう時間ないし俺の写してもいいけど」
A「え、いいのかい」
B「いいよ。答えが合ってるかは保証しねーけど」
A「ありがとうBくん。愛してるよ」
B「はは、ゲンキンなやつ」
A「……ところでBくん」
B「何だよAくん」
A「さっきの話を続けてもいいかな。本来プリントを写しながらする話ではないんだが」
B「ああ、別にいいけど」
A「Eくんと喋った時に思ったんだが、それからさっきのBくんの反応にしてもそうだが、もしかして僕はまだBくんにちゃんと告白していなかったんじゃないだろうか」
B「……えっ?」
A「その驚いた顔を見るにやっぱりそうだったんだな」
B「ちょっと待てAくん、……え、Aくんって俺のこと好きなの?」
A「当然だろう。なぜ好きでもない男のアナルを舐めたがるんだ」
B「いや知らねーけど……Aくんが変態だから……?」
A「心外だな。前から言ってるだろう、僕はBくんが好きなだけの一般人だと」
B「いや言われてないけど……」
A「そうだな、言ってなかったんだったな。じゃあ改めて言うけど、Bくん」
B「な、何だよ」
A「好きだよBくん。結婚を前提に僕にアナルをなめさせてくれないか」
B「……だ」
A「打?」
B「台無しじゃねーか!」

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