「財前、今日の部活、金ちゃんのこと頼むわ。」
「は？」
「俺、今日は休むわ。」
「どないしたんです？」
「コレ（小指を立てる）が具合悪いらしいさかい。送って、そのまま看病するわ。」
「はぁ。」
「えぇ彼氏やろ。」
「自分で言うたら台無しっすわ。」
「ん、それもそうやな。」
「…………。」
「…………。」
「……え、孕ませたんですか？」
「ちょ、何でそうなるん！？」
「孕ませたなら、ちゃんと世話したらなあかんで。」
「何で上から目線、」
「て、兄貴が言うとりましたわ。」
「兄貴の話かい！」
「それから、金ちゃん今日は居らへんらしいですよ。風邪で。」
「え、ほんまか？」
「……いや、10分前くらいにあんたが言うたんやないですか。」
「あー、せやった。オサムちゃんから聞いたんやった。」
「もう部活のことは任せて、彼女さんのところ行ったらどないです？どうせ保健室とかで待たせとるんとちゃいますの？」
「せやせや！すまんな！ほなな！」
「はいはい。また明日。」

「……財前、良い男やな。」
「どーも。」


良い男。
（20120913）








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