雑音





嗚呼、またチェレンと話してる


あんなに仲良く話し込んでるなんて、なまえはボクといるよりチェレンといる方が楽しいのかい?



Nはなまえとチェレンが外で楽しそうに会話している姿を見て、きつく唇を噛み締める



「なまえの恋人はボクなのに、」



ぽつり、と呟く。

何でだろう。なまえがボク以外の人と話しているのを見るだけで胸が締め付けられる様だ



Nは行き場のない感情を発散させるため、自室に向かい、ポケットの中に入れていたソレを取り出す。


カッターだ。



それを自分の利き腕ではない方に向け、そっと歯を立て、力を込めると腕からは深紅の鮮血が溢れる。



「…っ、なまえ」



こうすれば優しいなまえはボクを心配してくれるし、ボク以外の人と話さなくなる

だから、ボクは止められないんだ。




『N!!』



なまえはボクの姿を見た途端、駆け寄って来て、ボクからカッターを奪う

滴る鮮血を見て、優しいなまえは救急箱を取りに行った



『N…、もうこんなことしないでよ…。』



ボクを心配して、綺麗な瞳を潤ませるなまえが一番好き

だって、今のなまえの頭の中はきっとボクでいっぱいだから






「なまえが悪いんだ。ボク以外と話したりするから」

『N…、』






優しい優しいボクだけのなまえ。


もう、チェレンと話しちゃ駄目だよ







          雑音




(ボクは気を引きたいだけなんだ。)

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