純愛アーカイブ




『夏目、夏目…』




どこか覚束ない足どりで俺の元に駆け寄ってくるなまえ

俺はそんななまえを手を広げて受け入れると腕の中に閉じ込めた




彼女は妖怪だ。



でも、俺は彼女が好きだ





「なまえの髪は綺麗だ」




彼女の綺麗で艶やかな黒髪を指で弄ぶ

俺はなまえの髪が好きだ


綺麗で、長くて、いい香りがする




『夏目の髪も綺麗だよ、栗みたい』

「俺の髪は色素が薄いだけだよ」



生まれつき色素の薄い俺の優しく撫でる

俺はなまえの肩に顔をうずくませると思いっきり匂いを嗅いだ



最近の女子は髪にやたら鬱陶しい程のスプレーを巻いたりして時々、胸やけするがなまえの髪は優しい香りがする



まあ、妖怪だから髪にスプレーなんかまかないと思うけど





『夏目、くすぐったいよ』

「いい香りがするんだ」





居心地が悪そうにしているなまえを強く抱き締めて、額にひとつ、触れるだけのキスを落とした。








(今度、俺と風呂はいろ)

(なんで?)

(髪洗ってあげたいから)

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