終わらない輪廻





シュビラが全て正しいと表される世界。

殆どの人間は色相を濁らせない為、必死にシュビラに従ってきただろう

抗い、犯行する反逆者の僕はきっと惨めで滑稽なのかもしれない




色相も濁った事は一度もない。犯罪係数は真っ白





そんな非常に稀なケースを身に付けた僕。




僕だけ、だと思っていた。好都合なメリットを持ち合わせる人間は、




だけど違った。




他にも居たんだ、僕と同じ人間が。





『落としましたよ、これ』




不意に声を掛けられ振り向けば一人の女

大人なのに可愛らしく幼い印象を与える童顔に微笑を加えて落としたハンカチを差し出した

優しく微笑を貼り付けている彼女に釣られて自分もゆっくり微笑んでハンカチを受け取った




「ありがとう」

『いえいえ、』

「君……」

『ん?』




色相も全く濁っていない。犯罪係数も真っ白



自分と同じ。



どんな純粋無垢な人間でも少しは曇っている筈のPSYCHOPASSが自分と同じ様に真っ白だ




「君のPSYCHOPASSは綺麗だ、異常な程にね」

『ああ…、変ですよね私生まれて一度も濁った事がないんです』

「大丈夫だよ」

『え?』





これは運命なのだろうか
彼女の全てに惹かれた

自分と同じ立場だからなのかは分からない





「僕のも一度も濁った事がないんだ」





運命。そう信じていたのに、

脳裏に浮かんでいた欲望とは裏腹に僕は君に溺れて怠惰になった









「君は綺麗だ。花の様に可憐で純粋無垢なその瞳。歪み切った僕とは偉い違いで寧ろ滑稽に思えてくるよ」




彼女は返事をしない。

最近はいつもそうだ、なまえが僕を受け入れてくれないから無理矢理犯し嫌がる彼女が鬱陶しくて暴力を振るったあの日から





「お仕置き、されたいみたいだね」




小さく耳元で吐息混じりに言葉を吐けばなまえは目を恐怖の色に染め上げる

その刹那、僕はどうしようもなく興奮する





「精々僕の事で頭を悩ませるといいよ」




皮肉に言ってみた
そして傷だらけの彼女の透き通る様な白い肌の上に再び傷を付ける
ナイフが深くなまえの腕に食い込むと溢れんばかりの鮮血が床を汚す

なまえの口から溢れる悲鳴が僕を欲情させる





『いやあっ、やめて!ごめんなさ、んっ!』

「その口塞いであげる」





薄い淡い桃色の唇に自分の唇を押し当てる

舌を無理矢理ねじ込むと拒否されて舌を噛まれた




「どうやら君はもっと痛みつけられたいらしい」




髪の毛を強引に掴んで床に押し付けた





「涙を零しても逆効果だ。僕を欲情させているだけだよ」

『お願い…っ、!止めて槙島さん…』

「念願されればされる程、行為を止めたくなくなるっていうのが君は分からないのかい?」

『…ひ、っく、ん』

「号泣しているなまえもとても可愛くて魅力的だ…惨めで、陵辱したくなる」






首に手を掛け、死なない程度に締める

呼吸がままならず息を乱している君がすごく可愛い

いっそ、殺してしまいたくなる衝動に駆られる






「これがなまえの運命なんだよ」









            終わらない輪廻







(運命とは実に残酷だ。)

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