POISON





それは毒だ。


いくら依存されても彼の可愛さ故に拒否することが出来ない





「ねえ、何処に行くの」




布団の中で二人一緒に身を委ねて転がっていたが暇だし席を外そうと立ち上がった瞬間、遥さんから捕まれ阻止された

彼は異常な程、寂しがり屋で自分で言うのも難だがきっと、遥さんは私がいないと生きてゆけない




『ちょっと暇だし…何処かに行こうかな、って』

「僕に許可無しに?」

『あ、ごめんなさい…』

「何処に行くつもりだったの?にーにのとこ?」




遥さんの表情が険しくなる。
それは因幡さんが大好きだから私が因幡さんのところに行くのが嫌ではなく、逆な様だ




「僕がなまえの彼氏なのに他の男の家に行くなんて許さないよ」

『違いますよ』

「じゃあ、僕と一緒にいるのが嫌なの?」




余計に遥さんの表情が険しくなる

どうしよう。




『それも違います。私は飲み物でも取りに行こうかな、と』

「だめ」

『ちょ、遥さ、…きゃ!』




遥さんの透き通る様な白い腕が私の腕を掴んで再び布団の中に引き寄せる




「何処にも行かないで、行くとしても僕と一緒じゃないと許さない」




布団の中に深く潜り私の胸に顔を埋める遥さん




「僕を寂しくさせないでね」






小さくぽつり、と呟く。







「死んじゃうから」







         POISON







(彼の毒からは逃げない。)

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