3.風間蒼也と私と諏訪。

「お、みょうじじゃん。」

「おっす!」

大学構内を歩いていたら諏訪に会った。

「何か久しぶりに見た。」

「まー、お前研究員だもんな。引きこもりだろ?」

「おうおう。日々研究してまっせ。てかお前煙草くさい。」

「あからさまに嫌そうな顔すんじゃねぇよ。」

「だって臭うんだもん。」

私は左手で鼻をつまみ、眉間にしわを寄せ、右手で顔の前で仰いだ。

煙草の臭い、苦手なんだよね。

髪の毛とか服に臭いつくし。

「ブスが。」ボソッ

「あ?今何つった?」

「何でも………あ。」

「ん?」

え、なんか諏訪、冷や汗かいてるんだけど。

「なに?そんなにおびえなくても。」

「いや、ほんと。悪かった。まじスマン。」

「別にそんな怒ってないけど。」

「いやいやいや、申し訳ねぇ。じゃ、じゃあな。」

「あぁ、うん。」

諏訪は逃げるようにどこかへ行ってしまった。


私の顔・・・そんな怖かったのかな。

何かかわいそうだし、今度なんか奢ろ。キャンディでいっか。



そして、後ろに気配を感じ、後ろを振り返ると風間がいた。

「あれ?風間?いたんだ。ちっちゃくて見えなかった。」

「……。」

「何でそんな怖い顔してんの?」

「別に。」

「なに、エリカ様かよ。」

「体調はどうだ?」

「あぁ、平気。また風間運んでくれたんでしょ?さんきゅー。」

「別に。俺が悪いからな。」

「へ?風間に何もされてないけど?」

「うるさい。したんだよ。」

「えっ、もしかして……私の初めて奪ったとか?」

「アホか、バカ。」

「せめてどっちかにして。」

「俺は今から任務に行くから次の講義、プリント頼んだぞ。」

「へいへい。いってら。気をつけて。」

「あぁ。」


風間はくるっと反対側を向いて去って行った。


その後ろ姿は小さくてもなんだか男らしく見えた。



そういえば聞いたことないけど、風間ってどうやって私のこと運んでるんだろう。あんな小さいのに。

今度聞いてみよ−。

てかあいつ、いつから私の後ろにいたんだ?

忍者かよ。

忍者風間くん。ニンニン。 



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