たちかわたい ▼太刀川 慶 「はーなーせー!」 「絶対やだ!」 「お前は彼女か!私が彼女でしょーが!」 「やだ!何で風間さんとでかけるんだよ!意味わかんねぇだろ!」 「知り合いの誕生日プレゼントを買うのを手伝って欲しいって言われたからだって言ったじゃん!」 「しらん!」 「あーもー、だからアンタに言いたく無かったのにぃ!」 「いいから行くなよー。」 「行くわ!風間さんが私のセンスの良さを分かってるんじゃい!」 「じゃあ俺も行く!」 「そう言うと思ったから言わなかったの!いい加減にしろ!」 「それは俺の台詞だろ!なんで他の男とでかけるんだよ!俺が可哀想だろ!」 「別に風間さん弟みたいな感じだから可愛いとしか思ってないわ!慶が一番かっこいいって思ってるから!」 「え。」 「…おい。」 「か、風間さん!?」 「遅いからお前の家に来たが、案の定太刀川に引き留められているな。」 「ごめんなさいほんとこいつバカで。」 「いやいい。だがな、痴話げんかもいい加減にしろ。玄関の外まで聞こえてるぞ。」 「え、まじ?」 「楽しませてもらった。」 「ひぃいい!ごめんなさいすぐ行きます!ほら!太刀川どけ!」 「ひでえ…。」 「太刀川、聞こえるか。」 「…はい。」 「夕方には返すから安心しろ。」 「俺も一緒じゃ駄目ですか。」 「駄目に決まってんだろ。うるさいしまともに選べない。時間の無駄になる。」 「風間さんひどい。」 「っと、準備できました!今から行きます!」 「あぁ。玄関のドア越しに会話なんて初めてだから早くしろ。」 ▼出水 公平 「おーっす。」 「あ、出水。おはよ。」 「あー、ねみぃ。」 「寝てないの?」 「任務終わってから急いで宿題終わらせたからまじ眠い…。」 「大変だよね。いいよ、もし出水が当てられそうになったら起こすから。」 「まじ?」 「うん。全然お安いご用さ!」 「…さーんきゅ。お前ってさ、」 「ん?」 「優しいな。」 「……。そんな、ことないよ。」 「毎回そうじゃん。俺が寝てたらいつも起こしてくれるし答えも教えてくれるし。」 「だって、出水頑張ってるし。私たちのこと守ってくれてるんだからさ。当たり前だよ。」 「ふーん。」 「なにその顔。」 「別に。」 「あ、もう授業始まるよ。」 「ん。寝る。」 「うん。おやすみ。」 その優しさが俺だけだったらいいのに。 ▼唯我 尊 「おい、唯我じゃま。」 「邪魔とは酷いっ。」 「私の歩く道を塞がないで。邪魔。」 「二回も言わなくてもいいじゃないですかぁ!」 「だってどかないから、聞こえてないのかと思って。」 「どけばいいんでしょう!」 「うん。早く。」 「先輩は俺に対してもうちょっと優しくできないんですか!?A級1位ですよ!?」 「実力はA級1位じゃないでしょ。底辺。」 「がーん!!」 「まぁ、唯我は唯我なりに頑張れば?太刀川と出水がバカみたいに強いだけだし。」 「…は、はい!」 「あとあんた命中率低いんだからもっと練習しろ。下手っぴ。」 「お、俺の練習見てくれてたんですか!?」 「た、たまたまね。」 「もっと、見てくれてもいいんですよ?」 「調子に乗るなバカ!」 「イタイっ!」 [mokuji] [しおりを挟む] |