魔王に捧ぐ硝子の花 | ナノ


 退魔の剣に切り裂かれた巨大な魔獣が、傷口から血を噴き出しながら膝から崩折れる。いつか見た夢と同じ――だが、それよりずっと血生臭く酸鼻な光景だ。
 ガノンが弱ったことで、勇者と魔獣を取り囲んでいた炎の壁が消え失せる。ナズナの隣にいたゼルダがそれを好機と捉えて駆け出した。
 彼女は両手を前に突き出すと、立ち上がりかけた魔獣の巨体に光の魔力の奔流をぶつけた。放たれた光は縄となって絡み付き、ガノンの体の動きを封じ込める。

「私の力で魔王を抑えます。後はあなたの剣で魔王にとどめを!」

 言い切った直後、ゼルダの顔が苦しげに歪む。放出される光は次第に弱まっていき、完全に途絶えると彼女は前のめりに上半身を折って胸を押さえた。城から脱出する際に魔力を消耗しすぎたのだろう。
 そんな彼女から無理矢理視線を引き剥がしたリンクは、きっと唇を引き結ぶと、光の加護を得た聖剣を手にゆっくりと歩みだす。
 ――待って。
 ガノンの眼前で立ち止まった彼は、強い眼差しで苦しげに呻く魔獣を見据える。
 ――待って、お願い。固唾を飲んで見守っているナズナの中で、幼い声が泣きじゃくる。その声に引きずられてリンクを制止しそうになる自分を抑えて、彼女はぎゅっと拳を握りしめた。
 これでいい、これでいいの。ナズナはそう自分に言い聞かせる。止めるわけにはいかない。この瞬間に一歩何かが間違えば、全てが狂ってしまうのだから。
 勇者は左手を閃かせると、マスターソードを魔獣の額に深々と突き立てた。思わず上げかけた悲鳴を飲み込んで、ナズナは強く唇を噛む。
 一瞬の静寂の後、魔獣の断末魔の咆哮がその場にいる全員の耳をつんざいた。

「六賢者達よ、今です!」

 ゼルダは最後の力を振り絞って両手を頭上に掲げ、大きな光球を作り出す。賢者の間に続く道を開いたのだ。その先で待機している六人の賢者が封印の扉を開き、魔王を封じ込める手はずとなっている。――そう、ナズナと共に。
 魔力を大量に消費した第七の賢者は、崩れ落ちて膝をついた。だが、その青く燃える瞳は力を失うことなく真っ直ぐにハイラルの敵に向けられている。十代の少女とは思えぬ力強いその後ろ姿に、ナズナは背中を押された気がした。
 ――今しかない。ナズナは息を整えると、魔獣に向かって歩み出した。

「じゃあ、行くね」

 膝をついたゼルダの傍を通り過ぎる時、ナズナは一言だけ告げる。ゼルダは口を開いたものの、何も言葉を返すことなく再び口を閉ざす。ただ、悲しげな色を宿した眼差しで静かに彼女を見送った。
 付き合いは短くとも、ゼルダは大切な友人であり理解者だ。それぞれ見つめる未来は違えども、繋いだ手は確かな温もりを感じさせてくれた。……彼女の方も、そう思ってくれていれば嬉しいのだが。

「ナズナ!? 何してるんだ!」

 歩を進めるナズナの耳に、驚愕したリンクの叫び声が届く。視線を向けると、激しい戦いで消耗しきった彼が目を見開いてこちらを凝視している。友人が今ここで仇敵と共に消えるのを目の当たりにした彼は、どんな顔をするのだろう。
 胸にせり上がってくる罪悪感を無視して、ナズナは微笑みを浮かべながら頷いてみせる。それを目にしたリンクは彼女が何をしようとしているか察したらしく、泣き出しそうに顔を歪めた。
 ――傷つけてごめんね。心の中で謝りながら、ナズナは地に倒れ伏した魔獣を見下ろす。額に開いた深い傷からとめどなく血を流し、腕を上げることすらままならない彼を。
 ねじくれた巨大な角を持つ、猪にも似た獣。魔王ガノンドロフが力のトライフォースの暴走によって変じた魔物。理性の欠片もなくしてしまった彼は、最早本能のままに破壊をもたらす化け物でしかない。
 ……それでも。これほどまでに変わり果ててしまっていても、彼はナズナの愛しい人なのだ。
 金色だったゼルダの魔法の光が急速に膨張し、白く染まっていく。賢者の間で封印の扉が開かれたのだろう。こちらに向かって大きく口を開ける扉に不安めいた恐怖を覚えて、ナズナはガノンの角の後ろにそっとすがるように触れる。
 と、その手の下で魔獣の動く気配がして、彼女はふとガノンの方に視線を戻した。同時に、彼がゆっくりと頭をもたげてこちらに顔を向ける。異様な輝きを放つ瞳と視線が交わったその瞬間、彼女は大きく目を見張る。
 理性のない怪物であるはずのガノンは、はっきりと、意思の光を宿した瞳でこちらを見ていた。

「――ガノ、」

 名を呼ぼうとしたその声がふつりと途切れた。魔獣はぎこちない動作で太い腕を振りかぶると、すさまじい速度で薙ぎ払ったのだ。

「ナズナ!」

 息が止まるほどの鈍い痛みと共に、自分の名を叫ぶ複数の声が耳を刺す。いとも容易く弾き飛んた体が地面に叩きつけられた瞬間、強い痛みと衝撃に呼吸が止まる。咄嗟のことで受け身を取り損ねた彼女は勢いをそのままに城の跡地を転がり、崖っぷちでようやくその動きを止めた。
 ――肩が、背が、腕が、脚が、打撲と擦り傷で激しく痛む。何が起こったか理解しきれないまま、彼女は全身を叱咤してなんとか上体を起こす。

「う、ぐ……」

 歯を食いしばって顔を持ち上げると、こちらにじっと視線を向けているガノンと目が合った。爛々と輝きを放つその瞳は、正気と狂気のあわいを行き交いながらも確かに意思を持ってナズナを映している。
 ――どうして。ナズナの口が微かに動く。光が彼を飲み込まんと徐々に強さを増しているのを目の当たりにしても、彼女はその場を動くことができなかった。
 求める相手にこれ以上ない明確な『拒絶』をされて、どうしてなおもすがれようか。
 憎しみのこもった咆哮と共に、魔獣へと変じたガノンドロフは眩い光の渦へと消え去っていく。恋慕う男が二度と手の届かない向こう側へ行ってしまうのを、ナズナはただ呆然と見送ることしかできなかった。




 駆け寄ってきたリンクが、ぼんやりとへたり込むナズナに手を差し伸べる。

「ナズナ、大丈夫か?」

 目の前に差し出された金のグローブ。ナズナはその指先からゆっくりと腕を伝って、リンクの顔を見上げる。その青い瞳に揺れる光からは、こちらを心の底から案じてくれていることがよく伝わってくる。安堵の色を浮かべた彼の表情に後ろめたさを覚えて、ナズナは苦い笑みで頷いた。

「そう、ね。なんとか。……リンク君も、お疲れさま。無事でよかった、本当に」
「うん、ナズナもな」

 リンクの手を借りてよろよろと立ち上がると、ナビィが飛んできてふよんとナズナの鼻先をつついた。

「もう、心配したんだから! どうしてあんな無茶なコトしたの!」

 ナビィは怒ったようにぴょんぴょんと跳ねる。リンクを叱るのと同じいつもの声色に、張り詰めていた気がふっと緩んだ。じわりとにじむ視界に淡いブルーの光がぼやけて、彼女は涙に気づかれないよう軽くうつ向く。

「あ、はは……ねえナビィちゃん。私、失恋しちゃったんだ」
「えっ?」

 唐突なナズナの告白に、ナビィはリンクともどもぽかんと動きを止める。

「失恋って……ウソ、まさか、えっ?」
「ちょっと待て、嘘だよな、ナズナ?」

 きっと今、彼らの頭はさぞかし大混乱に陥っていることだろう。きょろきょろと周囲を見回したナビィとリンクは互いに顔を見合わせて瞬きをし、次いでガノンドロフが立っていた辺りにゆっくりと視線を向け、最後に弱々しく微笑むナズナをじっと見つめた。それでようやく、彼女の言葉の意味を理解したらしい。
 ナビィはわなわなと体を震わせたかと思うと、ぼすんとナズナの鳩尾に飛び込んできた。……痛くはない。手加減してくれているのだろうか、それとも――。

「ナズナの馬鹿! 変人! そんな大事なコト、なんでもっと早く言ってくれなかったの!」

 涙声のナビィを両手で包み込むと、ふわりとやわらかな温度を手のひらに感じる。

「だって、困るでしょ?」
「それはそうだけど、でも、でも――」

 彼女はさらに強くナズナに体を押し付けて声を詰まらせる。

「でも、俺達だって相談に乗るくらいならできるよ。だって、友達だろ?」

 ナビィの言葉を継いで、リンクがにかっと笑う。ショックを懸命に隠し、虚勢を張った精一杯の笑みで。
 ――そっか、友達か。その言葉が、すとんとナズナの胸に落ちた。敵に想いを寄せ、何も告げずに消え去ろうとした――そんな彼らを裏切ったも同然の自分を、二人はまだ友だと呼んでくれるのだ。そのことが、彼女は泣きたくなるほど嬉しかった。

「そうね。そうだったね。ありがとう、二人とも」

 彼女は肩の力を抜いて、彼らに笑ってみせる。リンクは今度こそ満面の笑みを浮かべ、「ばーか」とナズナの額をびしっと中指で弾いた。大事なことを黙っていたナズナへのお仕置きのつもりらしい。

「もう。痛いよ、リンク君」
「はははっ、ごめんごめん。でもナズナだって悪いんだからな」
「分かってるって」

 笑い合っていた彼らは、ふと小さな足音がこちらに近づいているのに気づいた。三人がそちらを見やると、ゼルダがゆったりとした足取りでこちらに歩み寄ってくるのが目に映った。彼女はナズナ達の視線に気づくと、複雑そうな、それでいてやはりほっとしたような笑みを目元ににじませる。

「ゼルダ、ありがとう。君のお陰で俺達はここまで来れたんだ」

 振り返ったリンクの言葉にゼルダはゆるく微笑む。

「こちらこそありがとう、リンク。あなたの力で、ガノンドロフは闇の世界に封印されました。これでこの世界も、再び平和な時を刻み始めるでしょう」

 リンクに礼を述べたゼルダは、次にナズナに目を向けて何か言いたげに口を開く。だがナズナはそれを遮るように手のひらを向けた。慰めも労りも、今の彼女には必要ないものだ。
 そんなことよりも、ナズナはまずゼルダに謝らなければならないことがあった。

「ごめんね、ゼルダちゃん。それからありがとう。ギリギリまで粘ってくれたんだよね」
「……いいえ。大したことではありません」

 そう否定するも、彼女の表情には隠しきれない疲労の影が見て取れる。
 封印の扉とは、いわば空間に無理矢理作った裂け目である。六賢者達が制御しているとはいえ、一度できた空間の裂け目は時間と共に徐々に広がっていくらしい。つまり長く開いていればいるだけ、扉を閉じるゼルダの負担が増すのだ。それでも、彼女はガノンドロフに拒絶されて気力を失ったナズナを、自分の力が及ぶ限界まで待っていてくれた。
 そう、ゼルダは精一杯力を尽くしてくれた。なのに、ナズナが彼女の努力を全て無駄にしてしまったのだ。
 ……それだけではない。ナズナはリンク、ナビィ、そしてゼルダの三人の表情を順繰りに見渡す。結局、この場にいる全員に心配と迷惑をかけてしまった。愛と友情のどちらも捨てられずにいた、何もかもが中途半端な自分のせいで。

「本当にごめん、みんな。私のわがままで」

 謝罪の言葉を口にする彼女を痛ましげに見つめていたゼルダが、言いづらそうに軽く目を伏せる。

「私も、謝らなければならないことがあります」

 そう言って、ゼルダはこれまでに起きた悲劇の発端が自分自身にあることを告げた。幼い頃の自分の過ちが、全てを狂わせてしまったのだと。彼女は顔を上げず、三人の表情を見ようとすることなく言葉を続ける。

「私は、己の未熟さを省みず聖地を制御しようとし、さらにあなた達までこの争いに巻き込んでしまいました。……本当に、ごめんなさい」
「気にすんなって、ゼルダ。俺達は俺達のしたいことをやっただけなんだからさ」
「そうそう。リンク君の言う通り、ゼルダちゃんが気負うことなんて何もないんだよ」
「……ありがとう、リンク、ナズナ。ですが、今こそ私はその過ちを正さねばなりません」

 彼女は顔を上げると、凛とした眼差しでリンクを見据える。

「マスターソードを眠りにつかせ、時の扉を閉ざすのです」

 真っ直ぐに放たれたその言葉は、静かな空間に重々しく響いた。マスターソードを封印してしまえば、もうリンク達は二つの時代を行き来することができなくなる。
 ――それはすなわち、ゼルダとの別れを意味していた。

「リンク。オカリナを私に――」

 ゼルダはしばらくためらってから、そっと手を差し出す。

「今の私なら賢者として、この時のオカリナであなた達を元の時代に帰してあげられます。――ガノンドロフが反旗を翻すより前、私達が出会う前の時代に」

 リンクは神妙な顔で、白い手袋に包まれた細い手をじっと見つめる。

「ゼルダとは、もう会えないんだな」

 確かめるように呟かれた言葉に、ゼルダの手が微かに震える。まだ幼いはずの彼は、彼女の言葉の意味を正しく理解していた。
 確かに、過去に戻った先で『ゼルダ』には会えるだろう。だが、そのゼルダは『共に魔王を討ち果たしたゼルダ』ではない。今ここにいる彼女には、もう二度と会うことができないのだ。
 リンクは取り出した時のオカリナを寂しげな眼差しで見つめ、それをためらいがちにゼルダに渡す。ゼルダは悲しげに視線を落として、彼の手に自分の手を添えた。

「ハイラルに平和が戻る時――それが、私達の別れの時なのです、ね……」

 ――そう、もう二度と会えないのだ。あの夜看病をしてくれたガノンドロフにも、紅茶の香りに包まれて様々なことを語り合ったゼルダにも――そして、一緒に笑ったり怒ったりしながら旅をしたナビィにも。拳を強く握りしめたナズナは、衝動的に腕を大きく広げてリンクとゼルダを思いきり抱き寄せた。

「うわっ!」
「きゃっ、ナズナ!?」

 驚きの声を上げる二人をよそに彼女は腕の力を強める。物語の流れなんて知るものか。感動的なシーンのお邪魔虫だって構うものか。友人との別れを惜しんで何が悪い。泣きそうになりながらも、彼女は自分にできる限り満面の笑みを浮かべる。

「三人とも、大好きだよ。離ればなれになっても、ずっとずっと――」
「あっ、ずるいぞナズナ! 俺だって、ナズナもナビィもゼルダも大好きなんだからな!」
「ナビィも勿論、二人に負けないくらいみんなのコト大好きだヨ!」

 二人と一匹は顔を見合わせて笑うと、揃って最後の一人に目を向けた。

「ゼルダは?」

 リンクの問いかけに、呆気に取られたように瞬きをしていたゼルダが彼らの顔を見回す。しばらく見守っていると、彼女の頬がほんのりと淡く染まり、凛としたその美貌に心の底から嬉しそうな微笑みが浮かぶ。瞬いた睫毛に小さく光った涙は、どんな宝石よりも美しくナズナの目に映った。

「私も、大好きです。リンクも、ナビィも……そしてナズナも、私の大切な友人なのですから」

 そうして視線を交わし合った三人は、名残惜しげに体を離す。

「本当に、ありがとうございます。あなた達はいつも、私の希望の光でいてくれた」

 ゼルダはリンクから受け取った時のオカリナを愛おしげに抱くと、眩しいものを見るような眼差しでナズナ達を見つめた。

「あなた達なら、きっとこことは別の未来を築けるはずです。巻き込んでおいて厚かましいと思われるかもしれませんが――」
「任せとけって、あっちのガノンドロフのことは俺達がなんとかするからさ! なっ、ナズナ!」

 力強いリンクの笑みに、ナズナもつられて目元をほころばせる。

「そうね。……きっと、なんとかできるよね」

 これからナズナ達が戻るのは、いつもの子供時代よりもさらに前、リンクが初めて城下町に足を踏み入れた頃だ。その時期なら、ガノンドロフに反乱を起こさせないことだって可能なはず。彼女は人知れず拳を握り、瞑目して深く息を吐く。再び開かれたその瞳には、柔和な微笑と共に強い決意が表れていた。
 ――こんな苦しみを、こんな悲しみを、もう二度と繰り返してなるものか。

「さあ、帰りなさい、リンク。失われた時を取り戻すために」

 ゼルダは時のオカリナを構え、穏やかな顔つきで二人を見つめる。

「あなたがいるべきところへ。あなたがあるべき姿で――」

 彼女はオカリナにそっと口づけると、懐かしくもやわらかな旋律を奏で始めた。――リンクが初めて覚えたメロディ、ゼルダの子守唄だ。
 時の賢者の力をまとったその旋律は時を繋ぐ青い光へと姿を変え、ナズナ達の体を優しく包み込む。

「ありがとう。リンク、ナビィ、そしてナズナ。――さようなら」

 ゼルダの別れの一言が子守唄に溶けていく。青い光の壁の向こう側で、彼女が最後に微笑んだ気がした。
 羽にくるまれるような浮遊感に包まれて、ナズナは届くかどうか分からない別れの言葉を口の中で呟いた。そして、もう二度と会うことのできない『こちら』のガノンドロフに想いを馳せる。
 ――想い人にあれだけ強く拒絶されたにも関わらず、彼女の心は不思議と穏やかだった。
 封印される間際、ガノンドロフは最後の最後に消える瞬間までナズナを見つめていた。真っ直ぐにこちらを見据えるその眼差しが、彼女にはどうしても嫌悪感のあるものとは感じられなかったのだ。
 もしかしたら、とナズナは仮定する。あの時、ガノンドロフは彼女を疎んじて突き放したのではなく、迫り来る危険から遠ざけようとしていただけなのかもしれない。……どちらにせよ、彼が封印された今となっては知る術のないことなのだが。
 ガノンドロフが単にナズナを疎ましがって遠ざけただけなら、彼女は潔く彼への想いを断ち切ってこの時代に背を向けるつもりだった。だが、もしもあの時、自分のことを想ってくれていたのなら。最後の瞬間、取るに足りない小さな命の行く末を気にかけてくれたのなら。

「さようなら、ガノンドロフさん」

 小さな声で別れを告げたナズナは真っ直ぐに顔を上げ、力強い瞳で前を見据えた。

 ――それでも私は前を向いて歩いていこう。ひとひらの愛と、胸一杯の恨み言を『あなた』に残して。





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