小太郎さんとデート!

『うわぁ!!』

目の前で繰り広げられる素敵なイルカショーに感嘆の声を上げた。

「……っ」

心なしか、隣の小太郎さんも瞳を輝かせ(前髪で見えないので私の予想ですが)興奮されているように見えます。





『ふぁあ、すごかったですね!イルカさん、可愛かったですねっ』

私が矢継ぎ早に言えば、小太郎さんもこくこくっと首を縦にふってくださいました。


ここは、とある水族館で。

小太郎さんとお出掛けすることが決まった時に、真っ先に思い浮かんだ場所です。

『あ、小太郎さん、この後、ペンギンさんの散歩があるみたいですよ!』

「……、……」

シロクマさんを眺めていた小太郎さんに言えば、口元に笑みを浮かべられながら、小太郎さんは私の手を握ってくれる。

あぁ、これは、一緒に行こうといって下さっているのですね。

なんだか胸が温かくなるのを感じながら、私も小太郎さんに微笑んだ。



静かで穏やかな時間。


小太郎さんとお土産屋さんで、お揃いにと選んで勝った色違いのイルカさんのぬいぐるみを抱き締めながら、私は帰り道また小太郎さんと手を繋いでいる。

「……」

夢子、と呼ばれた気がして顔を上げれば、誰もいない小さな公園の横で額に口づけを落とされた。

『……小太郎、さん』

「……(また行こう)」

その唇の動きに、きゅうっと胸に抱いたイルカさんを抱く手に力を込めてしまいました。








『た、ただいま、ですっ』

「……」

「……風魔、その勝ち誇ったような顔、ムカつく。一回殴らせろ」

『き、菊ちゃん?!』


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