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「なんか閉じ込められましたね」
呆然と呟く。
今の状況を理解するために脳を動かすことすら面倒くさくなる。
「あー……これはアレばい。指示通りのことしないと部屋から出れんやつやなかかな?」
「……ですかね?」
いやしかし何故千歳さんと。
ボーッと隣りで扉の上の方を見ている千歳さんを見上げた。
相変わらず何考えてるのかよくわからん。
「あー……ボボせんば出れんと書いてあるばい」
「は?ボボってなんですか?」
「セックス」
「…………は?」
「やけんセックス」
ニコッと胡散臭い笑顔を浮かべて私の方を向いた千歳さんに頭が痛くなる。と同時にかぁっと血が上った。
「千歳さん、私が扉の上部を見れないからって適当なこと言ってるでしょう?」
「そぎゃんこつなかばい。そう書いてあるし」
「いやいやいや──」
もう顔が熱すぎてぶんぶんぶんっと首を横に振る。
なのに千歳さんの手がぐっと私の手首を掴んできた。
「本当か嘘か、試してみたらわかるばい」
それから後ろに逃げてもすぐに壁にぶつかって、私より全然体格が大きい千歳さんに抵抗できるはずかない。
首元に千歳さんの顔が埋まって、チュッとリップ音とともに首筋にキスをされた。
『いや、どこにもんなこと書いてねぇぞ!!』
『ちょっとふざけないでくれるかな』
「あちゃー、やっぱり見張られとったばい……」
ペロッと舌を出したままそう笑った千歳さんのすぐ後に、跡部様と幸村さんがそれはたいそうご立腹な様子で姿を現したのだった。
ちなみに指令は、Xの答えを導き出せ。で。
全くもって違うじゃんと一人溜息を吐き出したのだった。
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