もし王子様たちのキャラソンを不思議少女夢主が聞いたら。そのさん
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※白石の「No Muda Life〜エクスタシー侍のテーマ〜」
「歌詞はおいといて、曲はとてもかっこ良かったです」
遠い目をしながらそれだけ吐き出す。
「いや、ちょっと待って。俺の曲聞いてくれたんは嬉しいけど。なんでいきなりそれなん」
「あ、ちょっとこれ以上近づかないで下さい」
近づいてきた白石さんに大袈裟にストップをかけたら、心底ショックそうな顔をしていた。
「待って!!やっぱり心の距離めっさ開いてるやん!!!」
「大丈夫です。心の距離は世界一周旅行中です」
「ひどっ!お、俺、もっと普通の曲とかあるんやで?!」
「私もそう信じてもう一曲聞きました!」
そうだ。
私はエクスタシー侍は何かのネタに違いないと、きちんと他のも聞いてみたわけである。
※「毒の華」
「なんですか、媚薬を隠した毒手とか!クラッシュするんですか!ひたすら色っぽい!エロい!中学生じゃない色気はどこから引き出すんですか!」
「色っぽい思うてくれたんやったらそれはそれで――」
「心の距離が大気圏突破して宇宙旅行」
「嫌や、やめてー」
顔を両手で覆いながら泣き真似し始めた白石さんはずるいと思う。
※「スピードスター」
「謙也さんが大好きなのはわかりました」
「謙也は確かに部活仲間として友人として好きやけども」
「お幸せに」
「嫌や、行かんといて!」
うぐっと変な声が漏れた。
私の腰に抱きついて私の動きを止めている白石さんは小さい子供のようである。というか白石さんはいい香りがして、恥ずかしい通り越してまたもう一度恥ずかしくなった。
「……はぁ。白石さん、普通にすごくカッコいいんですから、私なんか相手をしなくても」
「私なんかって言うたらあかん。卑下なんかしたらあかんよ。自分は魅力的な子やねんから」
「っ、反則ですよ」
大真面目な顔でそんな素敵発言されたらどうしたらいいのだろうか。
美形過ぎて眩しすぎる。
目線を外してしまった私に白石さんはえらく意地悪そうな笑みを浮かべていた。
「照れた顔も可愛ええな」
「っ、……光の速さで銀河二つ飛び越えました」
「嘘やん?!」
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