七夕祭りで日吉と切原との会話 
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「若くん、若くん!七夕だよ!お願い事短冊に書かなきゃ!」

「……お前もしかしなくても毎年書いてるのか?」

「うん、飾付けとかもしてた!パンダの飾り一杯つけるの!」

「うげ。それ……七夕終わる前に笹なくなりそう」

振り向いたら背後に切原くんが立っていた。


うちの子達はちゃんと分別弁えてるから、大丈夫だもん!って文句言ったら、鼻で笑われた。……真田さん、切原くんが反抗期です。

「それで……、何をお願いする気なんだ?」

「えっとね。……それは秘密でござる」

そういった瞬間、若くんがイラッとしているのがわかった。
え、でも
お願い事口にしたら、叶わなくなるじゃないか!

「うー。本当はどんな願いでも叶えてもらえるなら、お父さんとお母さんにもう一度だけでも会えたらなぁって……」とそこまで口に出していて、ばっと口を手で押さえる。
しまった。
このままでは若くんと切原くんに変な気を使わせてしまう。
いかんいかん、雰囲気も暗くなってしまうじゃないか!

「……仕方ない。付き合ってやる」

「若くんが天使」

「うるさい」

私の額にでこぴんしてきた若くんが照れ隠しなのを知っている。
彼はどこまでも優しいと思う。

「っ、そ、それならっ!」

若くんを天使天使言っていたら、いきなり切原くんに腕を掴まれた。

「せ、青学の河村さんに頼んでちらし寿司とか作ってもらったり、あ、跡部さんに料理用意してもらって、テニス部で七夕パーティしたらいいじゃんっ」

「ふん、見事なまでに他人任せだな」

「う、うるせー!」

「も、もし、パーティーできたら楽しいね!お願い事いらなくなっちゃう」

切原くんに笑ったら、切原くんも若くんも「え?」って顔をしてた。

でも。
今年のお願い事は「もっとみんなと一緒にいたい」だったのだ。
頑張ってるみんなを間近でみて、私もいっぱいヴァイオリンを頑張る!



(……ちっ、また跡部さんに頼らなきゃいけないのか。二人で七夕を味わえれば十分だったのに)
(ふ、二人っきりで七夕パーティする気だっただろっ!それだけは絶対に阻止してやるっ)


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