手塚国光編 
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「私は今日勇者になる!……手塚さーん!」

「…………」

呼び声に振り向いたら、やはり氷帝の彼女だった。
俺を呼ぶ前に意味不明な独り言も漏れていたが、それは彼女の持つ猫耳カチューシャと何か関係があるのだろうか。

「あの、手塚さん。こちらを頭につけてもらっても良いでしょうか?!」

「……構わないが」

緊張気味にそう言った彼女に頷けば、彼女はものすごく驚いたような顔をしていた。

「あ、ありがとうございますっ!で、では……」

「……あぁ」

「…………」

「…………」

「……て、手塚さん?」

「……似合うな」

「…………」

猫耳カチューシャをつけて欲しいというから、彼女の頭につけてやったのだが、彼女は酷く困惑した表情で。

あぁ、そうか。
ここはやはり何か言葉を添えるべきかと、一言感想を漏らしたらまた彼女は黙り込んでしまった。
心なしか顔が赤いようだったが、熱でもあったのだろうか……。

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