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「新渡米さぁーん!」
「あー、千石と室町から聞いたよー。猫耳カチューシャ持ってテニス部員襲撃してるんだってー?」
ニコニコと走って俺の元にやってきた彼女に返事を返せば「……ちっ、もう広まっているでござる」と変な武士言葉の独り言が聞こえた。
俺が言うのもなんだけど、相変わらず変な子だなぁと彼女を見る。
「……まぁバレているなら仕方がありません。これをぜひその頭にっ」
「やぁだ」
にぃっこりと満面の笑みを返せば、何故か彼女は口を開けたまま硬直してしまった。
頭の葉っぱが潰れるから嫌なんだよねぇと、そのまま彼女を無視して先を急いだら、後ろから「ひぃぃいっ、南さん、東方さんっ!新渡米さんが黒くて怖いんですけどぉっ」と叫んでいるのが聞こえる。
……やっぱり、あの子をからかうのは面白いなぁ。
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