向日岳人編 
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「岳人先輩!こんにちは、ところでこれをつけてみそ」

「クソクソ!人の真似してんじゃねぇよ!……って何のつもりだよ、これは」

珍しくアイツの方から近付いて来たなぁって思っていたら、アイツの手には猫耳カチューシャが握られていた。

な、なんだ。
これをつけろって本気で言っているんだろうか。お、俺は男だぞ?!クソクソふざけんな!

「嫌だよっ、お前俺のことからかってるんだろ!す、少し身長が低いから!」

「え!そんなことないですよ?!……ただ、何人かにつけてもらってわかったんですが、こういうの岳人先輩が一番似合うと思うんです」

真剣な顔でそう言われたら、なんかちょっとだけいい気分になった。

「……しょ、しょーがねぇなぁ。貸してみそ」

「やったー!……今回は上手くいったなぁ、うふふふ……」

…………とりあえず、また心の声を漏らした馬鹿にチョップを振り下ろしておいた。

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