跡部景吾編 
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「跡部様ー」

「アーン?」

「これ、私の気持ちで――痛い痛い痛いっ、跡部様ごめんなさい、もうバカなことは口にしません、だからこめかみをグリグリするのやめてくださいーっ」

走ってやってきて何事かと思えば、俺様に猫耳カチューシャをつけようとしたので、思いっきりこめかみを左右から拳でぐりぐりと攻撃してやった。
すぐに悲鳴をあげて許しを乞うたので離してやる。


「…………くそ、アホ部様め」

「アーン?おい、てめぇ仕置きが足りねえようだな、ちょっとこっちきやがれ」

「ひぃ!すみません何も言ってませんーっ」

……ったく。
アイツは一体何を考えてんだ。

逃げていく後ろ姿につい笑っちまったが、アイツの行動がいい意味で退屈しのぎになっているだなんて、本人には伝えるつもりは今のところない。

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