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「ジロー先輩、可愛いです!」
俺の頭の上に乗っている猫耳に興奮している彼女の笑顔が可愛かった。
神妙な顔でお願いがあるんですけど……とかいうから、最初は一体何事かと思ったけど。
「マジマジ〜?!君にそう言ってもらえるなら、俺、これ一生つけてもEーよぉ」
だから、心の底からそう思ったんだ。
本音を口にした俺に、彼女は急に真顔になった。
「ごめんなさい、ジロー先輩。猫耳生えてなくても可愛いです。ごめんなさい」
「Aーっ?!土下座してどうしたのー?え、俺、何か言った?!」
「……い、え、私の薄汚れた心が醜く……っ」
「大丈夫だよ!君は全部可愛いCー!」
寝転がって彼女を下から見上げながら言ったら、真っ赤になって固まっちゃった。
……よくわからなかったけど、頭につけてた猫耳カチューシャはその後外して返してあげた。
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