めちゃくちゃ拗ねてるアイツが可愛い
パンダ詩織<赤也くんばっかりみんなに構われてズルい!!


ピロンっと、個別にメッセージが来たのは財前に誘われたグループでやり取りし始めてから後すぐだった。

パンダが謎に荒ぶっている妙なスタンプも一緒に送られてきて、思わずふっとニヤけてしまう。

たぶん夢野のからのメッセージなら、なんでもニヤけてしまうほどに俺の心理状態はやばいわけだが。

突然、脳裏に恐ろしい笑顔の三船の顔が浮かんできて、思わずハッと顔を上げた。
それから慌てて自分の部屋の中をキョロキョロと見回す。
だ、大丈夫だ!
ここは俺の家だし、アイツの視線を感じるなんて、そんな恐ろしいことが起こってたまるか!

「……それよりも」

財前や伊武、室町の三人の中に俺が入ったのが余程嫌なのだろうか。
思わず悲しくなるぐらい夢野は拗ねていた。


赤也<アンタ、俺の事嫌いなの?

パンダ詩織<赤也くんは嫌いじゃない!


傷付く覚悟で思いっきって聞いてみる。
予想外にもすぐに嫌いじゃないと返事が返ってきた。


パンダ詩織<んとね、赤也くんのことは好きなんだけども!!でも、私のポジション取られたみたいなんだもんー!
光くんと深司くんにいじめられるポジション……あれ?これ、いらなくない???


俺、イジメられてるのか。アイツらに。
しかもなんなんだ。どっちなんだよ。

というか、赤也くんのことは好きなんだけども!とか普通に画面に出てきて、悶えるんだけど!

スマホを睨みながら、俺の顔は表情を忙しく変えていく。

顔を見合わせて話すと、こう上手くいかないが、文字だけならもう少し距離が縮められそうな気がした。
気がした、だけかもしんねぇけど……。


赤也<拗ねてるの、可愛いよなー

パンダ詩織<わ、私は拗ねてない!!

赤也<へぇへぇ。そういうことにしといてやるよ

パンダ詩織<?!?!赤也くんが強い!


何を基準にして強いとか言ってるんだ。この馬鹿。

さり気に可愛いと伝えてみたが、本人はバカにされていると思ったみたいだった。

また荒ぶったパンダスタンプが踊り狂うかのように続く。

夢野とそんなやり取りをした夜は、あっという間に時間が過ぎて、きっと明日は遅刻して真田副部長に鉄拳制裁かなと考えては身震いするのだった。

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