が、私がその真実にたどり着いたとしても、直接関わるわけではないので気にしないことに結論づけた。というのに
「詩織、土日月火と四連休になっているが、何か予定はあるかね?」
「……いえ、流夏ちゃんも陸上部が忙しいと言っていたので、今のところ予定はありませんが」
「ふむ、ならばちょうどいい。私はテニス部の監督として軽井沢の合宿に同行することになっている。……といっても、練習メニューは跡部に一任するつもりだ。だから、詩織のヴァイオリン練習に付き合える」
「……はい?」
榊おじさんは朝一番、職員室に人を呼び出しておいて何を言っているのだろうか。
「……詩織も軽井沢に付いて来たまえと言っている」
「えぇ?!」
また声に出してたことにも驚いたし、何より榊おじさんが平然と答えてくれたことにも驚愕した。
っていうか、本当にテニス部合宿あるのか。しかも他校が四校。合同合宿。軽井沢で。
ちょ、どうしよう。elevenさん、やっぱり貴方の言っていた俺様部長ってどうやら跡部様みたいです。そんな気したよっ!
「……問題でも?」
「い、え、特には」
榊おじさんの話によれば、合宿所として使うペンションはおじさん所有のもので、グランドピアノのある部屋もあるらしい。寝室として使える部屋もたくさんあり、私が付いていっても、特に問題はないようだ。
気になるならば、ペンション三階はお前の貸切とし、テニス部員は進入禁止にしようと提案してくれた。
それならば、跡部様や忍足先輩に会わなくてすみそうである。
今二人には会いたくない。っていうか、跡部様気まずいし、忍足先輩は追いかけてくるから嫌だ。
「……ならば、いってよし!!」
……榊おじさん、いったいどうした。ポーズもセリフもこれは笑うところなんだろうか。
自分の保護者が榊おじさんでいいのか、少し疑問になった朝だった。
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