パンダに愚痴る
《パンダ:合宿なんてあるんだねー》

《eleven:ふらふら女の人を追いかけていたと思ったら、いきなり合宿。はぁ、本当に……嫌だ》

《パンダ:そんなに合宿が嫌なの?》

《eleven:……あの人たちを間近で見たらパンダにも俺の気持ちが分かる》

画面向こうにいるパンダはそこで一旦沈黙した。

俺はそっと溜め息を吐く。同時に、バラエティー番組を見ていた姉の笑い声が響いた。

パソコンはリビングにあるため、ソファーの上でゴロゴロしている姉の姿をすぐに確認できる。

もう少しシャンとできないんだろうか。あれで彼氏に不自由しないとか、絶対嘘だ。否、姉の猫かぶりに騙されているだけなのか。


《パンダ:うーん、よくわかんないけど。他校の人たちが嫌ってこと?》

《eleven:あぁ、そうだな。特に合宿所を用意したところの学校の部長なんて俺様過ぎるし。っていうか、キャラ濃いんだよ……ホント》

《パンダ:え、……どうしよう。東京でテニス部の俺様部長に嫌な予感がしまくっているんだけど》

《eleven:は?何だよ、それ──ってすまねぇ、姉がパソコン使うっていってるから、俺落ちるわ》

パンダが気になる発言をしていたが、姉が煩かったので、すぐにチャットから退室した。

画面のページを閉じて姉に席を譲れば、ニヤリと笑われる。

「ははーん、十次、エロ動画でも見て──」
「違う」

否定したら姉は唇を尖らせていた。


……はぁ、憂鬱だ。

32/34
/bkm/back/top/
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -