唐突にラッキースケベ
ちょっと短気そうなのと冷酷そうな眼差しに心配していたけど、比較的大人しく昼食を食べているクラウザーくんに安堵しつつ、カツ丼のご飯を口にいれる。
観月くんが色々話しかけているけど、正直聞き取るのがしんどいので途中から聞き流すことにした。別に英語が得意なわけではないので、そんなところで疲れたくないってのもある。
まぁ後で観月くんに聞けばいいだろうし。忍足くんが耳を傾けていたから問題ないだろう。
それよりも今は詩織ちゃんとこうして昼食を一緒に過ごせているのだから、そちらの方が重要だ。やっぱり可愛い女の子は目の保養になる。

「ウンウン、ほんと、今日はラッキー」

「俺たちはアンラッキーだよ」
「本当にね」

俺の台詞に木更津くんたちが深い溜め息をついていた。その後淳くんの方は豚汁を啜りながら俺をちらりと見てくる。
言いたいことはわかるけど、君たち二人は充分彼女と仲良くできて羨ましいけどなぁ。ずっと詩織ちゃんの横だよねーと苦笑した。

「んー、すごい!観月さん!デザートも美味しいですよっ!!」

もうデザートにいったらしい詩織ちゃんを見る。声をかけられた観月くんは一瞬不機嫌そうな表情をしていたけど、彼女の笑顔を見てすぐに和らげていた。

「詩織ちゃん、詩織ちゃん、俺のデザートもうまいで?」
「わらび餅ですよね!美味しそうです!」
「食べてええよ」

忍足くんがどうやら餌付けに入ったらしい。
自身のデザートのわらび餅で釣ろうとしていた。

「わっ」

かちゃんっと、箸が床に転がってしまう。
慌てて掘炬燵のテーブルの下に頭を下げて潜り込んだ。

「んー!?本当に美味しい!!」

箸が転がってしまったのは詩織ちゃんの足元かと目線を上げたら、わらび餅をもらうために一度足をあげたらしくちょうどミニスカートの中の白い下着が丸見えだった。いやもちろん、それは一瞬だったけども。
足を下ろした後も角度を変えればちらりと覗けそうなそれに、無意識に柔らかそうな白い太股を撫でてしまっていた。

「ひあっ?!」

びくんっと跳ねた脚がそのまま俺の顔面に直撃した。ウンウン、いいキックだなー。

「な、な、な、何してるんですか?!」
「なんなん、自分何したん?」

掘炬燵の下で踞っている俺を詩織ちゃんと忍足くんが覗き込む。
そして忍足くんは詩織ちゃんの脚が眺め放題であることに気づいたらしく、俺をテーブルの下から引っ張り出した。

「メンゴメンゴ。箸が転がってさ。たまたま腕が当たっちゃって」
「い、いえ、私の方こそ、反射的に蹴ってしまいすみません」

たまたま腕が当たったわけじゃなくて、思いっきり誘惑に負けて撫でてしまったんだけど。
それから下着もご馳走さまでしたとか口にするわけもいかず、にへらーっと笑ったら後頭部を忍足くんに叩かれた。
相変わらず観月くんとクラウザーくんが会話をしていたけど、たらりと垂れた鼻血の方に意識がいってしまって内容は全然わからなかった。

「わー、私が蹴っちゃったからー!ごごごめんなさいっ!!」
「いやいやいいよー。刺激的な眺め……げふんごふんっ、蹴りだったけどもー」

申し訳なさそうにしている詩織ちゃんにへらっと笑い返したら、隣で忍足くんが床におしぼりを転がしていたのだった。

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