丸眼鏡の先輩
「あ、自分、夢野詩織さんやろ?」

「お、おまわりさーんっ!!」



流夏ちゃんと楽しく過ごした日曜日。
何故か真新しい携帯電話の電話帳には、男の子二人のアドレスが増えていた。否、私が勇気を振り絞って流夏ちゃんに便乗しただけなんだけど。

実際、今日はありがとうとお礼メールを送ったら、桃ちゃんからは「気にすんなって!ケーキサンキュー」と薫ちゃんからは「あぁ。こっちこそ奢ってもらって悪かったな」と返ってきて、それ以上どう会話を広げたらいいのかわからず悶々していたら、寝てた。起きたら朝になってた。不覚。

ちなみに男の子が登録されたのは初めてで、あまりにも照れくさかったので、桃ちゃんと薫ちゃん表記。もはや女子である。

そして普通に登校して、今普通に篠山さんと及川さんとお昼を学食で食べて、トイレに行きたくなったので二人と別れて一番近いトイレに向かって廊下を歩いていたわけです。

で、冒頭のやり取りへ。

「ちょ、なんでやねん!お嬢さんは先輩に声かけられたら、いつも警察呼ぶんかい!」

違う。
怪しい丸眼鏡の関西弁喋る色っぽいお兄さんに声をかけられたからだ。

「……誉められたと思うとくわ」

「ぎゃー!」

また声に出してたらしい。恥ずかしすぎる。というか、本当にこの人どなたですか!

そして、廊下にいる女の子たちがひそひそとこちらを窺っている気がした。

え、やだ。これ跡部様の時に覚えがある。

「……っ、せ、拙者はおしっこがしたいでござるっ!!」

テンパった。

…………死にたくなった。

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