ねーちゃんと一緒!
「ぎょーさん、食ったるでぇー!!」

今日の夕食はバイキング形式や言うてたから、気合いを込めて腕を振り上げる。
食べ放題は大好きや!でも、たこ焼きあったらえぇなぁ、タコヤキ!!

「ねーちゃんもタコヤキ好き?」

「はしゃいでいた金ちゃんが、いきなり振り向いて唐突にたこ焼きが好きかと私に聞いてきたなう……うん、好きだよ!!」

「詩織ちゃん、詩織ちゃん、色々落ち込んでるんはわかるけど、状況説明まで声に出してるわよん!」

「マジですか」

ワイの後ろでお盆を持って並んでいたねーちゃんに話し掛けたら、そないなやり取りが小春と行われる。小春の後ろではユウジがごっつねーちゃんのことを睨んでいた。
なんやろー、ねーちゃん睨んだらオモロいんやろうかー。いやまぁ、ねーちゃんはもう既にオモロいけどなぁ。

「ねーちゃん、変やもん。ほんまオモロいわぁー」

「っ?!」

「……金ちゃん、何言っとるんや。夢野さん、ショック受けて目を見開いたまま固まってもうたやないか!」

ワイの前におった白石が振り向いて慌てたようにそう言ってきた。

せやけど、ワイ、白石に責められるようなこと言ってないんやけど。
やって、ねーちゃんオモロいもん!

さっきメイド服着たねーちゃんと会った時も、あの老け顔のにーちゃん……真田やったっけ。あのにーちゃんに「けしからん!」言うて怒鳴られた後「退却の銅鑼が鳴っているので、では失礼!」とわけわからんこと言って逃げたんやで?
その後すぐ、真田と柳と乾というにーちゃんらが「……む、三国志か」と呟いたんやけど、これも意味わからんかってん。
白石や銀さんはわかったらしい。……そんなんはどうでもえぇねん。意味分からんけど、ねーちゃんはやっぱりオモロいちゅーことがワイはいいたかっただけやし。


「ねーちゃん、ワイらと同じ席座ってくれんねんやろ。ワイ、ねーちゃんの隣がえぇ!」

「何言うとんのや!あ、俺も隣えぇ?」

「……っ、お、おお俺のとと隣ととかかっ」

「いやぁん、蔵リンったら!アタシが詩織ちゃんの横に決まっとるやろ〜!……後謙也くんは何言うとるかわからへん」

「浮気か!小春ぅっ」

「…………詩織が一緒に食べる言うたんは、俺が誘ったからですわ。せやから隣は俺に決まっとるやないですか。うざいっすわホンマ死んでください」

ワイらが騒いだらねーちゃんはまた微妙な顔で遠くを眺めとった。それをケン坊が「夢野さん、死んだ魚みたいになっとるで、大丈夫か?!」と揺さぶった後、千歳がねーちゃんの頭にトトロの小さいぬいぐるみを乗せる。


「…………め、」

「め?」

「目がぁ、目がァァアアっ!!」

「「「なんでムスカやねん」」」

急に叫んだねーちゃんはオサムちゃんを足したワイらのメンバーに総ツッコミされとった。

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