ONE PIECE | ナノ


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「どこ行ったんだロビン……?」
周りに不審がられるのも気にせず、左右をきょろきょろ。御神輿はまだ近くにいるようで、人混みは全く変わらない。人混みからとにかく抜けようと体を捻らせても前後左右人、人、人。体の自由なんて聞くわけがない。
御神輿が過ぎさえすれば、きっとロビンとも会える。いつも通りの楽観的を装うが、どうも嫌な予感がする。
「こんな場所、ゴムゴムで飛べれば……っ」
ゴムゴムならば、一っ飛びで抜けられる。けれど。
『問題だけは起こさないで』
ナミには念を押されたんだ。ギリギリまでは我慢だ我慢。
ただ、なんだろう。この変な胸騒ぎは。どうしようもなく不安になる。大切な仲間だから失いたくない。なのに、また手からすり抜けてどこかへ行ってしまいそうで。自分の前から消えてしまうような気がして。
トラウマ化した記憶をいやに鮮明に思い出す。小刻みに震えだした手をなんとか抑えようと、浴衣を握りしめる。いつのまにか、歩くことをやめていた足は人に押され、上手く立てない。
こんなにも大事だと思うのに。早く探そうと思うのに。焦りが強まるばかりで何もできない。
「あんた、ロビンはどうしたのよ」
不意に後ろから肩を叩かれハッとする。振り返るとそこには、不安げなナミとサンジがいた。
「何度呼び掛けても返事しないから。心配になって、人混み縫ってここまで来たのよ?大変だったんだから。で、ロビンは?」
繰り返される単語に過剰に反応してしまう。
どこ?そんなの俺が一番知りたい。
「はぐ、れた」
乾いた唇をなんとか動かす。喋ることすらまともにできない自分に呆れる。
「んだと?!てめぇ、なんでちゃんと一緒にいなかったんだよ!人混みではぐれちまうことぐらいわかんだろ?!なのに何で目を離した?」
「サンジ君落ち着いて。……お店の人達が話していたのを聞いたんだけどね。このお祭りに便乗して、私達のような海賊も結構紛れてるらしいの。それはもう当たり前みたいなんだけど。本題はそこじゃなくて、その海賊を狙った賞金首も今年は多く紛れてるらしいってこと。あんたなんて億越えの賞金首がいるなんて知れ渡ったら大変よ。ロビンも億越えではないにしろ、相当の賞金首。こんなときにはぐれるなんて最悪だわ。」
「何はともあれ探すぞクソ野郎。ロビンちゃんに何かあったら大変だ」

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