ONE PIECE | ナノ


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「これだけの人混みじゃなぁ、……」
「どこ行ったんだよ……ロビン……」
言葉と共に小さな溜め息が吐き出される。ロビンを探している途中で合流したウソップやチョッパーも一緒にロビンを探していたのだが、未だ見つからない。きっと二人ともウォーターセブンでの騒動のことを思い出しているんだろう。チョッパーなど既に涙目だ。
「ごめん、俺がもっとちゃんとしてれば、」
「あーもう!あんた、なんでそんなメソメソしてんのよ!」
「そうだぞルフィ。お前がそんなんだとこっちも調子狂うんだ」
ナミとウソップに叱られる。それでも俺は下を俯いたまま。地べたに座り込んだまま。
「ここが一番高い丘だって聞いたんだけどねー。やっぱ人混みだと上から見ても見つけられないわねぇ。」
とにかく高いところから探した方が見つけやすい筈だというナミの提案で、俺、ナミ、チョッパー、ウソップはこの付近で、一番高いと言われている丘にいる。
フランキーとブルックは探すのに適してないため、先に船に戻ってもらっている。ただ、唯一戦闘力に申し分無し、見た目とししてもそんなに目を引かないというこで、サンジが探しに行ってくれている。
「ロビン、おれたちのこと嫌いになっちゃったのかなぁ……おれ、何か嫌なことしたかなぁ……」
ぐすっ、ぐすっ、と涙と鼻水を滴ながらチョッパーが呟く。ロビンには可愛がってもらったからか、人一倍思い出が強いんだろう。
そんなの、俺だって同じだけど。思いっきり泣きたいけど。思いっきり泣いたって、ロビンは見つからない。出かけた涙をなんとか引っ込ませ、独り言のように呟く。
「……俺も探してくる」
走り出そうとする俺をナミは慌てて引き留める。
「待って!……これだけは守って。人が多いところで能力は絶対使わないこと。この上海軍に見つかったんじゃ、ロビンどころじゃないわよ」
「分かった」
ナミの言葉を脳内で反芻はんすう する。素性がバレないためにもこれだけは守るべきだよな。コクリ、と頷くとナミは決心したかのような目で、
「ロビンを頼んだわよ」
「……当たり前だ」

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