ONE PIECE | ナノ


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丘を降りると、さっそく人混み。どうしたものかと周りを見渡すと、ふと行きに通った雑木林に目が留まる。あそこは人目につかないし、賊と出会ってもそこまで問題にはならないだろう。着物姿で動きにくいが、そんなことは関係ない。一目散に目指すのは雑木林。早く、早く。

「何か、私に用?」
目の前に立つ数人の男を睨み付ける。こんな丸腰な状態で威勢も何もあったものじゃないけれど。
全員凶悪そうな顔はしているものの、格段賞金首の海賊……ということもなさそうだ。
「ははは、嬢ちゃんそんな怖い顔するなよ。俺達はただ、少〜し相手をして欲しいだけさ」
下品な笑い声が賑やかな声に吸い込まれていく。ただのナンパ?いや、それにしては態度がおかしい。ナンパならこんなに濃く絡んできたりなんてしない。それに、用があるとは絶対に言わないだろう。
「手荒な真似はしたくねぇんだ。だからよ、言うこと聞いてくんねぇか?」
「……言うこと?」
慎重に言葉を繰り返す。
「ああ、そうだ。あの雑木林まで着いてきてくれるだけでいい。それくらい、良いだろう?」
どうやら人目のないところへ連れていきたいらしい。そんな手に乗るわけ無いじゃない。
「嫌」
言葉と共に両手に力を込める。能力を使ってでも、この場から逃げるべきだ。
技を繰り出そうとした次の瞬間。何故だか力が入らなくなる。
「……そう言うと思ったぜ、ニコ・ロビン」
海楼石の効力だと気づいたときには既に時遅し。私は成すがままに意識を手放した。

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