ONE PIECE | ナノ


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「ナミすわん、ロビンちゅわんとてもお似合いです!!!お美しい…!」
「ん、ありがとね〜」「ふふ、どうも」
私たちは今、町内のお祭りに参加するため、浴衣を着付けてもらっている。この島は頻繁にお祭りやイベントを行うらしいのだが、そのお祭りに参加するときは全員浴衣や甚平を着なければならないらしいのだ。島によって色々あるのね。この島、とても興味深いわ。
「あの、本当に良いんですか?こんな綺麗な浴衣、借りてしまって……」
「ああ、気にしないで。あなたにはさっき助けてもらった、そのお礼の気持ちよ。それに私にはもうその華やかな浴衣は似合わないもの。あなたたちのような若い人が着るべきだわ」
この女の人──ジュリアは先程私たちが島に上陸した直後に出会った、この島の住人。助けてもらった、というのはジュリアが海賊に襲われかけていたのをルフィが文字通り助けてあげたからだと思う。相手は名もない海賊であり、ルフィが止めに入ろうとしただけで怯んでどこかへ行ってしまったけれど。ジュリアの目にはよほどかっこよく映っていたんだろう。何かお礼がしたい、と私たちに浴衣まで貸してくれた。
それでもジュリアは外見からしておそらく20代後半に見える。この歳ならまだお祭りを楽しみにしていてもおかしくないと思うけれど、どうやらこの様子だと参加しないみたいだ。それに考えてみれば私の方が明らかに歳上。お礼と言ってくれたものの、私が助けたわけでも無し。なんだか、彼女に申し訳なくなってしまった。
「お前良い奴だな!」
ルフィはにしし、と明るく笑ってみせると、ジュリアにお祭りがどこでやっているかを尋ねた。
「ここから近いわよ。ここを右に出ると雑木林があるの。その雑木林を抜けると広場があってね。そこでお祭りはやっているわ」
「雑木林……ってあの不気味な……?」
ナミは来るときに見たのか、顔が少し強ばっていた。彼女の言う通り、不気味と言えば不気味だけれど……そんなに怖がるものかしら?
「あはは、初見の人はみんなそう言うわ。でも本当にただの雑木林なの。何もないわ。それに舗装はされていないけど、一本道があるから迷う心配は要らないわよ。……あ、でも稀に賊が出ると聞くわ。一応気を付けてね」
「大丈夫です、ナミさん!誰が相手でも指一本触れさせやしませんよ!」
「……サンジ君、よろしく頼んだわよ!」
「お、おお俺怖くなんかないけど、そ、そのサンジ、よろしくなっ!!」
「大丈夫よ。全員八つ裂き、なんてことにはならないでしょうし」
「クラァっ!ロビンお前そういうこと言うなよ!」
自称・海の勇敢なる戦士は見るからに怖がっていた。臆病なのは相変わらずなのよね。
「よっし!行くぞーお前らっ!!」
「おーうっ!!!」

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