*'11 神楽誕!*



*キミにkissを*



※軽ーくero描写アリ、注意!


──ねぇ、もっとたくさんキスしてね?


 酸欠になるかと思った!
 嵐のように降り注いだ、総悟のキス攻撃から漸く逃れた私だったが。最早、虫の息──。ぜはぜは、と肩で息をして涙目で総悟を力なく睨みつけることしか出来ずにいた。

「だぁから言ったんでィ。嫌なら逃げろってな」
「……イヤじゃなかったから困ってるネ!」
「ほー、そうかそうか。神楽ちゃんは俺を煽るのが得意なんだなァ?」

 何なんだ、その余裕な態度。こっちは呼吸もままならなくて、まだ混乱状態だというのに。

「……神楽」
「っ!!」

 一番呼んで欲しい男にあまり呼ばれることのなかった、その自分の名前が。特別な響きを含んで、再び発せられた。

「そういや、まだ言ってなかったよな。──誕生日おめでとう、神楽」
「へっ!? あ、ありがと、アル……」

 とってもシンプルなそのお祝いの言葉が、じわじわっと胸を熱くしていく。どうしよう、踊り出したいくらい、嬉しいんだけど。

「やっと神楽も16になったんだよなァ」
「やっとじゃないネ。もう16なんだから、立派なレディになったアル!」
「レディねェ……」
「な、何ヨ。笑ってないで何か言うヨロシ」

 意味ありげな笑みを浮かべた総悟。スーッと指を私の口唇に伸ばし、薄く開いた口内に差し入れてきた。

「んな〜っっ! 何してるアルか!?」
「お前なァ……レディんなった、つーなら、そこで指舐めるとかしてみろよ。色気ねェな、オイ」
「いきなり難易度高すぎなんだヨ! こっちは初心者なんだから、少しはハードル下げて欲しいアル」

 涙目のまま睨みつけてやれば、楽しそうにこっちを見て笑い続けてる。何なんだ、この敗北感は。

「まあ、今まで保たせた俺の理性に感謝しとくんだな。これからは──欲望の赴くままにいかせてもらうから。遠慮なんざしねェ、覚悟しとけよ?」
「うっ……具体的に、どんな覚悟したらいいネ?」

 ドキドキしながら、目の前の男の発する言葉を待つ。そうしているとピタッと視線が合わさって、絡みつくような熱を持っていくのを感じ取った。

「そー、ご?」

 自然と震える口唇から掠れた声が。総悟は何も答えずに、ゆっくりと真顔のまま近づいてくる。──今なら、どうすればいいか、分かる気がする。そう、まずはゆっくり、目を閉じて。

「大好き、ヨ」
「……ほんっと、てめーは煽るの得意だなァ」

 後頭部に回された手が、グイッと乱暴に私を引き寄せて。最初から、手加減なしの貪り尽くすようなキスが始まった──。

「んっ……ふぁっ、……ん、ぅむっ!」
「無理して喋んなっての。ほれ、腕上げろィ」
「ふぇ……?」

 ちゅっ、ちゅっと啄むようなキスの合間。言われるがままに上げた腕を、総悟の首周りにのろのろと這わせ。やっとのことで、キュッと掴んだと思った矢先。するり、総悟の腕が背中に回されて、プチンと金具の外れる感触と共に胸周りに開放感が。

「んーっ!!!???」
「欲望の赴くままにいく、つったろ? 取り敢えず一段階、覚悟決めやがれ」
「でっ、でも……こんな小さくても、総悟はホントに触りたいアルか?」

 小声で訊いてみるも。こっちの不安などお構いなしで、総悟は遠慮なくこねくり回すように揉みまくった。

「あっ、やっ……」
「あのなァ、小さいとか大きいとかの問題じゃねェんだって。他の野郎はどうだか知らねーが、少なくとも俺は神楽の胸だから揉みてェ。ついでに舐めるし、吸うけどなァ」
「うひゃっ!! ば、バカぁ……ぁんっ」
「おっ。エロい声出せんじゃん? もっと乱れて見せろよ」

 ──だぁから、こっちは初心者なんだから手加減しろってんだ!

「ね、ねぇっ」
「何でィ? 無駄口叩く余裕あるのかよ」
「んぁっ。だ、ダメ……そこぉ。──じゃなくって! 総悟が、今まで我慢してくれてたのって、私が16になるの待ってたからアルか?」
「あぁ〜16に拘ってた訳じゃあねェが……まあ、何かあっても責任取れる歳だし?」
「……へっ?」
「はっきり言わなきゃ分かんねェか? 娶ってやる、ってことなんだけど、神楽を」

 言葉の意味を、咀嚼してじっくり考えて。もにゅもにゅと形が変わる程に揉みしだかれる胸の感覚に快楽を覚えながら、導き出されたその答えは。

「──嫁にもらってくれるってこと?」
「おう。異存はねェだろィ?」
「あ、ある訳ないネ!!」

 昨日までじゃあ、考えもつかなかった展開。キスして欲しい、なんて可愛い願いは、斜め上を突き抜けて躰中(特に胸!)への愛撫に喘ぎ声を出すような驚きの事態に。

「……総悟ぉ」
「んー?」
「私、愛されてるアルナ」
「……当然」

 再び噛みつくようなキスが降り注いで。負けじと、舌を絡めてその強すぎる愛に応える。


ねぇ。もっと、いっぱい、キスをしてね。たくさん、愛して。離さないでね?




12月になってしまいました…申し訳ない!
らぶらぶちゅっちゅ、な内容がない話になった気がしないでもないけど(笑)
2人とも幸せっぽいんで、まぁいっか?(・∀・)

'11/12/01 written * '11/12/03 up

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