君との日常 | ナノ
「突然だかお二人さん、卒業する前にやらなきゃいけないことは何だと思う?」
「本当に突然だな」
「名前、前もそんなこと言っとらんだか?」
「…いーから黙って答えなさい」
「まー、思い出作りとか?」
「とくに赤也とか後輩とかとのぅ」
「あとは卒業アルバムの制作とか」
「違う!ぬるい!ぬるいぜ!」
「は?」
「いや、基本こんなもんじゃろ」
「卒業する前にしなきゃいけないことと言えば夜に学校に忍び込んで窓ガラス壊して回ったりとかでしょ!」
「またわけのわかんねぇこと言い出したよコイツ」
「俺はだいたいわかったぜよ」
「ふむ…さすが仁王だ。丸井はまだまだだね!」
「どこのルーキーだ」
「いいか!貴様ら!尾●豊の卒業という名曲を聴くんだ!」
「また尾●豊!?」
「つーわけで、今夜学校忍び込んで窓ガラス壊して回るよ」
「やるわけねぇだろ。レギュラー落とされるわ」
「んじゃ、夜8時に3B集合じゃな」
「お前やんの!?」
「さすが仁王…話がわかるじゃないか…!」
「当たり前じゃき…俺もいつかはやらなきゃいけんと思っとったことナリ…!」
「やっぱこれやんなきゃ卒業出来ないよね…!」
「これはいわば卒業するための儀式ぜよ…!」
「いやいやいやいや!絶対に問題になるから!怒られるから!仁王も名前もテニス部止めさせられるぜぃ!?」
「大丈夫じゃ。先生にも話したらきっと伝わるじゃろ」
「ね、先生たちみんな尾●豊世代だもんね。てか先生たちもきっとやったはずだ」
「そういう世代だとしても許されるとか絶対ないから」
「じゃ、丸井は強制参加で。今夜8時、ここで落ち合おう」
「了解ナリ」
「え?いやいや冗談だよな!?」
「あ、怪我しないように長袖長ズボンで手袋を装備。あとメリケンサックとか金属バットとか持ってきてね」
「了解ナリ。金づちでもいいかの?」
「おーけーおーけー。固くて窓ガラス割れるもんなら何でもよし」
「え、ちょ、おま、冗談だよな!?なぁオイ!え、なんで目ぇ逸らすんだよ!オイこっち向け!演技だよな嘘だよなぁぁ!?」
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