まつりのあとに
相棒は、少し冷めた表情で駅前を歩いていた。
サンタさんが乗った売れ残りのケーキ、冷めたフライドチキン。ロゼのシャンパンに、少し気の早い鏡餅のパック。
ひとつひとつ、手に取りながら、(これらには、どんな物語があっただろうか)と考える。
子供達が待ちきれない様子で眺めていたであろうケーキ、仕事の合間にかじられていたかもしれないチキン。恋人たちが注ぎあいながら愛を語っていたであろうシャンパン、……まだ早い鏡餅。
コンビニ内をぐるっと見て回り、最後にカップスープをふたつ投げ込んでレジに向かった。
+-*-+
「ありがとう、相棒。風邪で寝込んでたから助かったよ。」
「お前はそろそろ病院で診てもらったほうがいいよ。」
メリークリスマス。先輩にそう言うと、気まずそうに笑ってくれた。
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白昼夢がお送りします。