燃えたらおしまい*






「ああああ〜うまい…!五臓六腑に沁み渡る…!」
「あはは!それじゃおじさんだよ硝子」
「ここん所、夜勤が多くてさ…名前と飲むのも久しぶりだよね」
「ほんと!…こないだの呪霊、2級だったけど結構厄介だったみたいだね。みんな怪我で済んで良かったよ…硝子様様だねぇ」


「いつもお世話になります」と頭を下げると、硝子は「敬え敬え」と言うので笑ってしまった。


「今日、五条は?」
「神奈川に行ってる。横浜でいっぱいお菓子買って帰ってくるって」
「うげぇ、焼売だろそこは」
「たしかに!買って帰って来てくれるかな〜」




硝子と飲むのは久しぶりだ。悟は下戸だし、私も普段は飲まないし強くもないけど、たまに飲みたくなるのだ。
お互いに飲みに行こうと言いながら、忙しさで中々時間が作れず今日やっと二人のタイミングが合ったので飲みに出られた。前に歌姫さんが美味しいとお薦めしていた、イタリアンバルのお店に来たのである。





「歌姫さんからこないだ電話あってさ」
「あ、そうなの?五条の事でしょ」
「そうそう。ふふ、アイツに酷い事されてないか、とか、何かあったらすぐに言って!別れる為に全力を尽くすから!とか。相変わらず心配してた」
「まあ確かに。五条に名前は勿体無いわ。私も先輩と同意見だね」
「あはは!そんな事ないよ、逆はあってもさ」
「あんた昔からモテるのに、何でアイツとくっついたのか未だに不思議だよ。まぁ学長は助かってるだろうけどね」
「うーん、どうだろ…私にも悟は止められないからな〜」
「こないだ学長、頭抱えてたよ。五条が自由すぎて自分の首がまじで危ないかもしれんって」
「あはは!先生は一番の被害者かもなあ〜」
「まぁ私は自分が巻き込まれなけりゃそれで良いわ。そういや先生が、名前に五条の舵を取ってほしいって言ってたよ」
「え〜〜先生、おっかない事言うなあ〜」


尽きない話題にお酒が進む。ご飯も美味しくて幸せだ。




「こないだ七海が治療に来てさ、まぁ軽症だったからすぐに治したんだけど。新しく美味しいパン屋さん見つけたからって幾つか貰ってさ。名前にも今度渡したいって言ってたよ」
「そうなんだ。どこだろ。あ、こないだ七海くんにお薦めのパン押し付けちゃったから、お返ししなきゃって思ってるのかも。気ぃ遣わせちゃったな〜」
「貰っとけ貰っとけ、美味かったし。ま、五条が煩そうだけど。七海も五条がいない時狙って渡すか」
「それ私も早く食べたいな〜七海くんのお薦めってほんと美味しいんだよねえ。いつか七海くんとパン屋ツアー行きたい!」
「それは迷惑だろうからやめとけ、主に五条のせいで」
「普通に七海くんに断られそう、真顔で」
「想像つくわ」




どれだけ呑んでも表情が変わらない硝子につられて、私もどんどんとお酒を呑み進める。
気の知れた友人との会話は楽しくて、お店に来てから2時間半が経った頃には、私はすっかり気持ち良くなっていた。






「名前、携帯鳴ってない?」
「ん?あ、悟だ」
「うぜー」

あはは、と笑いながら電話に出る。悟との少しの会話を終えると、硝子が「なんだって?」と聞いてきた。

「今から迎えに来るって。硝子にお土産があるみたい〜」
「よし、ついでに五条に払ってもらうか」
「あはは!そうしよっか!まだまだ話したかったな〜」
「最後にもう一杯頼んどこ」
「あ、わたしも〜〜」
「いや、アンタはもう「こらこら、名前はもうおしまいにしましょうね〜」…早っ」


個室の扉を開けて入ってきた悟に、お酒のメニュー表を取られる。




「はい、硝子。焼売ね」
「…さんきゅ。はい、五条。伝票です」
「はいはい、承りました」
「お帰りなさい、悟も何か食べる?」
「ただいま。いや、向こうで食べたから大丈夫。名前連れて帰るね」
「早よ帰れ」


しっしっ、と手で追い払う様にして硝子は言う。



「硝子またね〜」
「はいはい、また飲も」
「じゃ!」



そう言いながら名前を抱っこして伝票を持ち去った五条を見て「つーか名前、もうすでに五条の舵取ってんな」と硝子は一人でごちた。





−−−


「…名前、ほら、腰上げて?」
「んん…?」

悟に抱っこされてたら、いつの間にか眠っていたみたいだ。瞼を開けると、ベッドに寝転がっていた。悟がここまで連れて帰ってくれたのか。


「悟…ごめ、…ごちそ、さまぁ」
「ん、いいよ。楽しかった?」
「んふふ…うん。…あ、メイク…………一緒にお風呂、入る?」
「ん〜それもいいけど…先にしたい」



そう言われた私は、悟の首に両手を回し、ちゅ…と短くキスをする。
寝ている間に悟に服を脱がされていたらしい、私だけ下着姿になっていた。直接悟に触れたくて、悟の服を引っ張る様にして脱がせていく。



「いててて…名前、そこ引っ張っても脱げないから!」



ほぼ悟に手伝ってもらう形で、悟を真っ裸の状態にした。
悟は私を上から覆う様な体勢で深いキスをする。


「んっ、ぁ、ん…」


舌と舌が絡み合い、ちぅ、と悟に舌を吸われて唇が離れた。


「っは、……悟の、舐めても…いい?」
「…喜んで」




普段は絶対にしない行動に出てしまうのが、お酒の怖いところだ。いつもなら悟にお願いされるまでしたくても出来ない事が多い。言わずもがな、恥ずかしいからである。だが、アルコールの入っている今の状態の私には、そういった事が頭からポーンと抜けているのだ、自分の欲求に素直に従える。


舐めたり、キスをしたり、口に咥え、それ吸う様にして頭を上下に動かすと、悟は私の頭を優しく撫でる。
夢中になっている間に、ブラジャーを外され、胸の突起をくりくりと刺激される。




「んっ、…んんッ!あっ、や、」
「名前、舐めて?」
「ぁあっ、ん、んっん…」



口から離してしまうと、悟に催促される。それに従い、再び口に咥えるが上手くできない。


「名前、上に乗って…舐めたい」
「ん…」


悟の上半身を足で挟む様な体勢をとる、いわゆるシックスナインだ。



「ん…は、…んむ……ッあ!んんっ」
「ん、気持ちい?」
「あっ、きもち、い!んっ、ぁん!」



そのまま指を入れられ、舌で突起を強く吸われて刺激される。
気持ちが良くて、悟のモノを持ったままうつ伏せになり喘ぐ。結局悟にされるがままの状態だ。
激しく指を出し入れされて、気持ちのいいところばかりを責められると、あっという間に絶頂へと達した。





悟は私をベッドへ仰向けに寝かせて、起きた時の体勢に戻すと「ほんと可愛い…」と、笑ってキスをする。
唇が離れると綺麗な瞳と視線が合わさる。
「…さとる、だいすき」と、私も笑ってぎゅうっと抱きつく。




「僕も好きだよ。…ね、いつもこれくらい素直でもいいんだけど」
「…?」
「ま、恥ずかしがる名前も可愛いし、たまにでいいか」


悟はそう言うと、私の両膝を広げて、中にゆっくりと自身を挿れていく。
膣内を圧迫され、ん、と息が詰まる。



「…ッ、は…きもちい………名前、痛くない?」
「ん、さとる…」
「…ん?」
「いっぱい、して…ほしい」
「ははっ、煽っていいの?……知らないよ?」
「ん…さとるも、気持ちよく、なって…?」
「…ほんっと、可愛い」




グッ、と奥に挿れられ、ぶるっと身体が震える。
顔の横で繋がれた両手にぐっと力が入り、ガツガツと動く腰に合わせて、勝手に声が出てくる。



「あっ!あっ、ンッ、ぁあっ!」
「…っ、名前、」
「んんっ、ぁ、っ!ぃく、アッ!いっちゃ…!」
「ん、イッて…名前」



名前を呼ばれてストロークが速くなる。
ガクガクと身体を揺さぶられ、絶頂に達した。
荒くなった呼吸を整えようと、手で口元を押さえる。



「…名前、まだだよ」
「…ぇ?…っひ、ァアッ!」



膝裏を持ち上げられ、太ももが胸に付くほど上から押さえられる。
深い奥の一番気持ちの良い所を、悟のモノで何度も何度も突かれ、強い快感に拒絶する様に左右に首を振って悟のお腹を押してしまう。



「あっ、あっ、ゃあ!んっ、ぁあっ!」
「…はっ、名前、…っ、イ、くよ」
「んっ!ぁん!…ンンッ!ひっ、〜〜〜ッ!」



口付けられ、声が出せずに、二人同時に達した。








「…ん、ぁ…ンッ」
「…名前、疲れたね。…お風呂入る?連れて行くよ」


悟が自身をゆっくり抜いて、ベッドサイドにあるゴミ箱にゴムを捨て、私の頭を撫でながら言う。




「………悟…」
「ん?抱っこする?」
「…うん、……もっかい」
「…ん?」

悟にぎゅっと抱きついて「…もっかい、だめ?」と強請る。



「……硝子に焼売だけじゃ足りなかったな…」と悟は笑って私に深くキスをした。






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