A requiem to give to you
- 崩落編 -

【第78音後】


グレイ:…………………

メルビン:あら、何をしているの?

グレイ:! び………っくりした…………って、あんたは確かメルビンさん、だっけ?

メルビン:ええ、驚かせてしまってごめんなさいね。それで、こんな夜遅くまで起きてるなんて、明日早いのでしょう?

グレイ:まぁ、そうだけど。でもこれだけはやっておきたかったから

メルビン:何かの譜業装置みたいだけど、何だか見覚えがあるような、ないような……?

グレイ:逆にこれに見覚えがあるなんて、あんた一体何者だよ

メルビン:ちょっと経験豊富な大人ってところかしら

グレイ:子供と思って揶揄うなっての。……まぁ、それは良い。とにかく早く終わらせたいンだから、邪魔をするな

メルビン:ふむ………──────あ、もしかして………そう言う事ね

グレイ:……………

メルビン:差し出がましいかも知れないけど、私でよければ少しだけ手伝えるかも知れないわ

グレイ:マジで言ってンの? これ、モノホン作るのも相当金も材料も時間も必要って聞いてるけど

メルビン:これでも音機関には詳しい方なの。それにソレは音素学も関わってくると思うから、尚の事得意分野だわ

グレイ:ヘェ……

メルビン:その有り合わせの材料でも本物……レベルには遠く及ばなくとも、相手を怯ませるくらいの物は出来ると思うけど………どうかしら?

グレイ:なら、その優秀な知識を是非とも貸してもらおうじゃねーの。…………よろしく

メルビン:こちらこそ。さあ、早速進めて行きましょう


/
- ナノ -