・とあるパン屋の悲劇
正面入り口斜め４５度にムンクの置物
インパクトをねらったらしいが
パン、関係ないじゃん
ムンクの顔と腕の間にフランスパン
君が自慢げに胸を張ったとしても
僕はつっこみをいれよう
新製品開発に励む君の顔
真顔なだけに冗談なのか本気なのか
わからないままに巻き込まれ
気づいた頃には君の下で働いていた
恐るべし
悲劇はまたあたらしい物語の先端
ハッピーエンドはうそくさい
信じてみる気にもなれない
君の作ったパンとムンク
とにかく印象を悪くしている
てかてかてか
譲ってほしいんだって１０００万円で
まさかの展開
君の断る姿は勇士だった
ついでなのでモーニングセット
あの物好きもなかなかひかない
そだね、住む世界が違うんだね
納得しきれないのは
店長！
まともなひとだと思っていました。
類は類を呼んで拡大していく
俺も呼ばれたのか
バイト帰りに見かけた君の奇行をとめるべきかとめないべきか
いえ人違いです
とにかくムンクから離れなさい
君の慈悲深い愛は
無痛
ニッコリ笑うその影で
お日様はまだ眩しい
試してみたいことがありました
限りなく不透明
明日は何処へ訪れる
君のムンク様は知らん顔
火傷だらけの
懲りない客
解放してくれこんなの
嫌よ嫌よも好きのうち
そんな有難迷惑な話ありますか？
俺はきっと子羊だもん
都合が悪くなるとかわいそぶる
だからここまでよわっちくなってしまったのか
君を守るための何かが欲しい
批判するくせ、何も知らない。
誰もわからなくても
俺は君の努力を見てきたよ
その笑顔が好きなのかもしれないような
だったら、笑っとく
キュンときた！
こうして俺は朝、君のムンクとあいさつを交わした
なんだか壊れた世界が愛おしく
俺も
パン作りに励んでみたものの
君の才能のすざましいこと
これは持って生まれたなんとやら
ああ不器用でもいいよ
店にならんだお情けのおんぼろパン
冷やかな目
ココロなくすかとおもった
こんなことを君は毎日くりかえしていたのか
閉店間際、君は俺のパンを買う
財布泣いてるんじゃなかったのか
それとこれとは違うくて
まだまだはじめたばかりだよ
辛かったらやめてもいいからね
君が頑張るのに俺は逃げていられない
男の意地と君への恋心
ムンク騒動再び
絶対に店のイメージを悪くしている
とりあえず、かわいくしたよ
ムンクなのにワンピース、花がらのフリフリ
悪意のない感じが悪意を醸し出している
残念ながら俺には美意識というものがないらしく
本気だしてもいいのかな？
天然発言の元凶は
いやさ、そんないきなりリアル言われても
ずれていただけに楽しかったのかも
向き合う勇気をくれたのは、ムンク様
君とムンクと時たまに俺様
店長不在の大ピンチ
ムンク様誘拐未遂事件
君がムンクにこだわる理由
いつもそばにいてくれたのはこの子だけと
切なさを帯びた温もりに触れ
俺もなんだかムンクが好きになる
でもさ、完全に店に調和していないよ
お客さんのびっくり顔
はしゃぎだしたお子様に君が吹き込んだ嘘
こうしてイベント計画は始まった
パン屋に成り下がる気はありません
え？ 何か？
友人の常識、俺の常識
いかに俺は君に影響されたか
あーあ…
しらねぇよ、そんな理由！
しかたないんだ
ムンク様はパン屋になくてはならないものです
真顔で言うなよ…
「百聞は一見にしかず？」
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