……言い忘れていたことがあります。
俺、夜久那月には姉が一人と。
―――兄が一人います。
「ん、あれ?姉さんだ」
少し寒くなってきた今日この頃。
校舎から聞こえてきたのは《至急、先生方は職員室にお集まり下さい》なんて放送。いつもと変わらないような毎日を今日も過ごす。
俺は中庭で紙パックのジュースを飲みながら歩いていた。
と、前方を向くと…
先輩らしき人達に絡まれる姉さん。
“また絡まれてる…!なんでこう、姉さんには危機感とか何とか無いのか本当……!!”とか何とか頭が痛くなるのを抑え、俺は姉さんを助ける為に踏み出した…。
踏み出したら。
「…おい、お前ら。俺のつっこに何やってんだ?」
「や、夜久先生!!??」
「何で此処に!?」
「つっこが絡まれてるのに俺が助けないわけないだろうが」
「……
…………兄さんんんんん!!??」
―――柚月兄さん
つまり、正真正銘、俺の兄。
とにかく姉さんを溺愛していて、そのせいなのか星月学園の教師をしている。
いやまあ、勉強も運動も出来るし、非の打ち所が無い兄なのだが、とにかく姉さんへの愛がデカイ。
つまり、シスコン。
「くっ…、おい、逃げるぞ!!」
「ああ!!」
ダダッと逃げて行く先輩達。
いや、教師に見られた時点で逃げても無駄なんじゃないかな。
「兄さん、姉さん」
「お、那月」
「那月!」
「ごめん、姉さん、来るのが少し遅かった」
兄さんが来てからは大丈夫だろうと引っ込んでいたけれど、もう少し俺が早く来ていれば。
姉さんを守りたくて習得した柔道もいざという時の運がなければ役に立たない。
「…那月、ありがとう」
「え、」
「私は那月が助けようとしてくれただけで嬉しいよ。実質、お兄ちゃんに助けてもらったけど、少しだけ那月が早かったら那月に助けてもらってたのかもしれないし!」
「…ん」
「そうだぞ、那月。
もしお前がつっこを助けてても後から来た俺があいつらを懲らしめてた」
「勘弁してあげて下さい」
兄さんマジ攻撃的
↑(姉さん関連で)
と、そんな時。
《こぉおおらあああああ!!!!柚月ぃいいいいい!!!!!》
「うおっ、直獅!」
「お兄ちゃん、呼ばれてるよ!?」
「……」
俺は過去の記憶を引っ張りだす。
そういやさっき…
《至急、先生方は職員室にお集まり下さい》
………
…………
……あぁああああ…。
「何か直獅怒ってるから行ってくる」
「頭痛い…」
「え、大丈夫!?那月!!」
「あ、ウン…」
あー、
何か食堂で食べてこよ。
今日も星月学園は平和です。
―――――――
オチが迷子な件について。(^p^)
新キャラ、夜久柚月くんは相互サイト様「徒食(TOSHOKU TSK)」様のキャラクターです^^
色々あって、那月の正式なお兄さんになってもらって良いかと管理人のY子さんにお願いしましたところ、快く引き受けて下さいました!!
これからは那月の正式なお兄さんとして話に登場させてもらいます。
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