11月23日


この日は母の日、父の日、こどもの日と同等の日だと姉は言う…。







「というわけで!那月、頑張ってお兄ちゃんへのプレゼント探そうね!!」

「姉さん、いつにも増して張り切ってるね…」

「うーん…去年は那月が学園に入学してなかったから一人で選んでたの。だから、久々に二人でこうして街で選べるのが嬉しくて!」

「はは…」




そう、今、俺と姉さんは街に来ている。

それもこれも長年続く行事のお陰なのだが、別に俺は苦では無いし。

まあ、今日がどういう日かと言うと。



11月23日

――『いい兄さん』の日



本当に11月23日が『いい兄さんの日』なのかは知らないが、数字からしてそう読むから俺と姉さんは毎年、柚月兄さんにプレゼントをあげているわけだ。

そして今年もまた、この日がやってきた。




「お兄ちゃん、何が欲しいかな?」

「…多分、姉さんが選んだものなら何でもいいだろうね」

「えっ、そ、そんなこと無いよ!!」




いや、シスコンな兄さんなら十分ありゆる。




「那月はどんなものがいいと思う?」

「実用的な物がいいんじゃないかな」

「実用的な物かー」




ううーん?と悩みだす姉さんを横目に俺は頭の中をくるくると動かす。

兄さんが使いそうな物…。

本?
いや、本なら姉さんの写真集を欲しがりそうだ。

服?
何でも似合う兄さんだけど、姉さんの写真がプリントされた服なら通常の服より喜びそうだ。

アクセサリー?
姉さんの作ったペンダントとかなら……



って、






「姉さんばっかじゃん!!」

「え!?私ばっかり!?」

「はっ!!
いや、うん。ごめん、違うんだ姉さん」

「?」




いけない、いけない。

兄さんの好きな物が危うく姉さんしかないのかと…。
…いや、実際そうかもですがね!!




「………あ、」

「那月?」

「実用的で二人からのプレゼント…かつ、姉さん…」

「私?」

「姉さん、あげるもの候補があるんだけど…」


















11月23日当日。




「「お兄ちゃん(兄さん)!いつもありがとう」」




姉さんから受け取った袋を見て兄さんは「ありがとな」と笑顔を見せた。
…これがイケメンスマイルというやつか。

「開けてみて!」と言う姉さんの声とガサガサと袋を開ける音。




「マフラー…」

「えっとね。毛糸は那月が選んで、私は編んだの!不格好だけど、受け取ってくれたらいいな」

「いや、つっこの編んだものは完璧だ」

「お、お兄ちゃん!」




……何だろう。

この兄姉なのに、かもし出すバカップルオーラは。




「……あ。そういえば、兄さん」

「ああ」

「?」




俺はポケットからスッと箱を取り出す。




「姉さん、手、出して」

「え、こ、こう?」

「はい、どうぞ」




ポンッと姉さんの手の平に置いた箱。

兄さんに催促された姉さんはそれを開ける。

…と、箱からはシルバーネックレス。




「俺と兄さんからだよ」

「いつもありがとな」

「二人共…!!」




うるうると涙を溜めた姉さんに俺と兄さんは同時に抱きしめられる。


まあ、こんな日も悪くないかな。


兄さん、姉さん、いつもありがとう。







11月23日=いい兄さんの日!!

(後日、何も貰っていなかった俺は姉さんの手料理と兄さんからのリストバンドを貰った)
(ウン、正直リストバンドだけ嬉しかった…)



―――――――――

つっこちゃんの手料理→ナポリタン

出来た物→黒い塊


前回に引き続き、柚月くん(徒食(TOSHOKU TSK)宅)を登場させてもらいました!!

口調とか駄目ですね(^-^;

友達と「いい兄さんの日」と盛り上がったのでつくりました。

ちなみに友達が「兄さんだけじゃなくて姉さんの日でもあるとイイよね」と言っていたので話の最後に月子ちゃんにもプレゼントを渡しました。


この三人が大好きでしょうがないです(〃д〃)










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