突然やけど、僕には悩みがある。それは魔神を倒すという目標を持つ坊に付いて正十字学園に入学して、祓魔塾に通うようになった時からなんやけど…。

「子猫!」
「ふわっ!?」
「おお、そんなにびっくりしなくてもいいだろ?」
「え、あ、すいません」
「謝んなくてもいいって」

たった今、僕の背後から肩を掴んできた名字君。彼が悩みの原因だったりする。

「課題やった?」
「はい。昨日、坊と志摩さんと済ませました」

昨日の課題を済ませている光景を思い浮かべながら話すと、名字君は感心したような声を上げた。

「偉いな。さすが子猫」
「え、あ…ありがとうございます…」

笑顔の名字君に頭をめちゃくちゃに撫でられる。名字君は何かと僕の頭を撫でる。坊主の頭撫でて何が楽しいんやろか…。それに何か恥ずかしい。

「あーまた名字君やってはるー。飽きひんなぁ」
「志摩さん!」
「おー」

ケラケラ笑いながら志摩さんは通りかかっていく。
こんなん身内に見られんのが一番恥ずかしいのに…!

「ああああのっ名字君!」
「ん?どした」
「僕の頭撫でんのやめてください!」
「何でだよ?嫌だった?」
「嫌っていうか…恥ずかしいんです」

高校生にもなって頭を撫でられるなんて子供扱いされてるとしか思われへんし、周りとか構わんとやってくるから人の目が気になってしまう。

「わかった」
「え…!」

分かってくれはった…!
と僕が内心喜んだ瞬間、視界が真っ暗になり全身が温かくなった。

「じゃあこうする」
「え…っ!?」

僕、今名字君に抱き締められてる!?何で!?というか、さっきより恥ずかしい…っ。
顔熱いし上げられへんし、体固まって身動きも出来ひん。

「あ…っ、あのっ、名字く、」
「子猫かわいー」

身長差で顔が胸に当たる。名字君の匂いでくらくらしそうで、僕はもう限界やった。

「も、離してぇ…っ」
「子猫が可愛いから無理」



僕には悩みがある。
それは名字君の過剰なスキンシップだ。





end

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タラシ…?←
大阪在住なのですが、京都弁は分からないので殆ど大阪弁に…

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