今日は日曜日。週の始まりであり、休日。この正十字学園も生徒がいない為とても静かだ。祓魔師は平日だろうが休日だろうが関係なく忙しくしているが、今日の俺は休みだ。暇なんだ。
……でも、あいつは暇なんてないんだろうなぁ。

そんなことを考えつつも、鍵穴にこの特殊な鍵を差し込んでしまうのはやっぱりあいつが好きだからなんだろう。


「あ、いた」

鍵を回して扉を開くと、部屋着である浴衣を纏ったメフィストがゲーム機片手に此方を見た。とりあえず、おはようと挨拶すると笑って返事をくれた。

「今日はお休みなんですね」
「まあな。久しぶりに休み貰ったから来た」

メフィストはゲーム機を置いて掛け声と共に指で音を鳴らすとティーセットを出す。ふわりと鼻を擽る甘い香り。俺の好きな香りだ。どうぞ、と言われたので礼を言ってから口をつけた。うん、美味い。

「ふふ、名前は本当にアッサムで淹れたミルクティーが好きですねぇ」
「ああ。定番のアールグレイとかダージリンもいいだけど、甘い方が好きだな」
「私も好きですよ☆」

俺はどちらかと言うと甘党で、よくメフィストと菓子類を食べたりする。偶にアマイモンも乱入してきて大変なことになるんだが。

「今日はこのままゆっくりしていこうかな……」
「久々の休日です。そうしていってください」
「メフィストの予定は大丈夫なのか?」
「はい。私も今日はお休みなんです」
「ふーん」

嘘ですけど。メフィストがそう思ってたことを俺は知る由もない。

久しぶりの休日は何をしたらいいか分からなくなる。だから無性にメフィストに会いたくなって此処に来たものの、やっぱり何をすべきか分からないな。

「名前、此方に来てください」
「?」

言われた通りにいつも腰掛けてる椅子の隣に近寄ると、そのまま俺の腰に抱きついた。

「メフィスト?」
「暫くこのままでいます」
「もう決定事項なのか」
「はい☆」

暫くとはどの位だろうと思いつつ、メフィストの頭を撫でる俺も、結局はこいつに惚れているのだ。







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